高金利が浮き彫りにするAI関連企業の信用リスク
先週(10月12日週)の債券市場は金利上昇がいったん一服し、利回りの低下がみられました。ただし、水準としては依然として高い状態が続いています。
10月16日時点の10年債利回りは、米国が約5.09%、フランスが約4.79%、英国が約5.38%となっています。直近の高値からは低下したものの、金利負担の重さを警戒する状況に変わりはないと考えています。
また、AI関連銘柄では、米コアウィーブ[CRWV]の債務負担や資金調達への懸念が強まっています。Bloombergの10月15日付の報道によると、同社の5年物CDSのスプレッドは一時1,194.5bpsまで上昇しました。CDS市場では、一定の前提に基づき、今後5年間の債務不履行確率を60%超と織り込む水準です。ただし、これは市場価格から算出された推計であり、実際に倒産する確率を直接示すものではありません。
信用リスクへの警戒はコアウィーブにとどまらず、オラクル[ORCL]などにもCDSスプレッドの上昇が広がっています。AI関連企業の資金調達や債務負担への懸念に加え、AI・半導体株の下落に伴う投資家の含み損拡大も意識される局面だと考えています。
11月3日の米中間選挙を控え、政策の先行きも見極めたい局面ですが、不穏な足音が徐々に迫ってきているように感じられます。
ビットコイン(BTC)はトレンドラインを割り込む
BTC/JPY日足チャート:反落調整のサイン点灯か?
BTC/JPYの日足チャートを分析します(図表1)。トレンドラインを明確に割り込んできています。SMA30(黄色)もはっきりと下回ったことから、反落調整のサインが点灯しています。
目先は、SMA90(水色)まで押し目を形成する可能性が出てきました。この水準がサポートとして機能し始めると考えているため、買いトレードは引き続き様子を見ながら、深い押し目を狙っていきたいと思います。
MACDも間もなく0.00付近まで低下しそうです。ゼロを下回ってマイナス圏で推移する場合は、下落トレンド開始の合図にもなりかねないため、注意が必要でしょう。テクニカル面では、反落を示すサインが増えつつあります。
BTC/JPY4時間足チャート:戻りの目安は1295万~1310万円
BTC/JPYの4時間足チャートを分析します(図表2)。下降トレンドラインを引くと、現在の価格はおおむね戻り高値に近い水準にあります。1295万円付近からは戻り売りを狙いやすい地合いです。
少し上にはSMA90(水色)とSMA200(橙色)が位置しており、価格帯では1305万~1310万円のゾーンに当たります。この付近で戻り売りを狙う戦略も考えられます。
下降トレンドラインを少し上抜けたところから売るイメージです。上抜けが一時的なものにとどまる「ブルトラップ」のような値動きになれば、戻り売りが奏功しそうです。
今週(10月19日週)前半は、1295万~1310万円のゾーンに注目しています。
ETH(イーサリアム)は下落形状、戻り売り狙いに妙味か
ETH/JPYの4時間足チャートを分析します(図表3)。BTCと比較して、より明確な下落形状となっています。
下降トレンドラインに沿って上値を切り下げている状態です。再び反落して直近安値付近で下げ止まったとしても、ディセンディングトライアングルを形成しているとみられます。一方、直近安値を割り込めば、下落トレンドの継続が意識されるでしょう。戻り売りを狙うのであれば、ETHのほうに妙味がありそうです。
個人的にもETHに対する弱気姿勢を強めており、BTCでは押し目買いのスタンスを維持しながら、ETHでは戻り売りを繰り返している状況です。
金利高や半導体株の下落といったリスクオフ材料に対しては、アルトコインのほうが大きく影響を受けやすいと考えています。金融・資本市場の余剰資金がアルトコインへ向かうため、その資金の供給元である市場が崩れると、アルトコインは資金の逃避先としても機能しにくいでしょう。
第4四半期は、金利高によって運用のバランスを崩したファンドから、ポジションの清算が始まると考えています。株式市場も一定のダメージを受ける可能性があるため、暗号資産市場の大幅な回復を見込むには、まだ様子を見る必要があるでしょう。買いはBTCを中心に検討し、アルトコインへの買いはしばらく見送りたいと考えています。
今週(10月19日週)の暗号資産(BTC・ETH)動向のポイント
・米欧の長期金利は依然として高水準にあり、AI関連企業の信用リスクや半導体株の反落とともに、リスクオフ要因として警戒。
・BTCの日足はトレンドラインとSMA30を下回っており、SMA90までの調整を視野に、深い押し目を待つ方針。
・BTCの4時間足では、1295万~1310万円のゾーンが戻り売りの目安に。
・ETHはBTCよりも下落形状が明確であり、戻り売りを狙うのであればETHに妙味があるか。
・第4四半期はファンドのポジション清算や株式市場への影響に注意し、買いはBTCを中心に検討。アルトコインへの買いは当面見送る方針。
