今週(10月30日~11月5日)の相場動向
相場回顧BTC:大規模ハッキングで下落、米中間選挙後の反発も株安で失速
ビットコインは、バイナンスの大規模ハッキングや現物ETFからの資金流出を受けて下落。米中間選挙後に一時持ち直したものの、米ハイテク株の急落を受けて再び売りが強まり、BTC=75,000ドル(約1185万円)台まで値を下げた。
暗号資産取引所大手バイナンスで約63億ドル相当の資産が影響を受ける大規模ハッキングが発生し、市場に信用不安が広がった。AI関連の投資負担への懸念から米ハイテク株が急落したことも重なり、ビットコインは大きく下落。米国の現物ビットコインETFからの資金流出も相場の重石となった。
その後、バイナンスが被害を受けたトークン資産の98%を補填したことで信用不安は和らいだものの、米中間選挙を控えた政治的な不透明感から戻りは鈍かった。開票が進み、民主党による上下両院多数派の見通しが強まると、暗号資産関連政策の停滞への懸念や米株価指数先物の下落を受けて、BTC=75,000ドル(約1185万円)台まで一段安となった。
ただ、選挙結果が明確になると売り持ちポジションの買い戻しが進み、ビットコインは反発に転じた。さらに、米国とイランの和平期待による原油安や米長期金利の低下、米国株の大幅上昇を受けて買いが強まり、BTC=80,000ドル(約1264万円)台を回復した。
しかし、5日の米国市場では、民主党の勝利を受けたデータセンター建設への規制強化やAI投資の採算性に対する懸念から、ハイテク株を中心に売りが拡大。ナスダック総合指数が約5.5%下落するなか、ビットコインもリスク回避の売りに押され、再びBTC=75,000ドル(約1185万円)台まで急落した。
来週(11月6日~11月12日)の相場予想
相場見通し:BTC(ビットコイン)は米ハイテク株急落で下値警戒、CPIと中東情勢も注視
来週のビットコインは、米中間選挙後のAI規制強化への警戒を背景としたハイテク株安が重石となり、米CPIや中東情勢次第では一段安となる展開も予想される。
まず、株式市場ではAI関連株の調整がどこまで続くかに注目したい。米中間選挙で民主党が上下両院の多数派を獲得したことを受け、AIデータセンターの建設規制や監視強化への警戒が高まり、関連銘柄に売りが広がっている。
米国株の調整が長引けばビットコインにも下押し圧力が及びやすい一方、規制を巡る過度な警戒が和らげば買い戻しにつながる可能性がある。また、11月中旬の上場を目指すと報じられるアンソロピックのIPOも、AI相場の先行きを見極める材料となりそうだ。
米金融政策では、10月米雇用統計を確認した上で、10日の10月米CPIに注目したい。10月も原油価格が高水準で推移したことから、エネルギー価格の上昇が物価にどの程度反映されるかが焦点となる。特に、コア物価にもインフレ圧力の広がりが確認されれば、追加利上げ観測が再び強まり、米金利高とドル高を通じてビットコインの重石となるだろう。一方、物価の伸びが市場予想を下回れば、金融引き締めへの警戒が和らぎ、相場の下支え要因となる可能性がある。
米イラン情勢では、中間選挙後の米国の対応にも注目したい。共和党の選挙敗北を受け、バンス米副大統領がイランとの戦争継続に否定的な見方を示すなど、外交的な解決を求める動きが強まっている。
一方、トランプ政権は軍事作戦の再開を排除しておらず、ホルムズ海峡周辺の緊張も解消していない。協議が進展して原油価格が落ち着けばインフレ懸念の後退につながる一方、軍事的な対立が再び激化すれば、リスク資産全般に売り圧力が及ぶ可能性がある。
暗号資産市場では、バイナンスのハッキングを巡る信用不安がどこまで後退するかも注目される。同社は被害を受けた暗号資産の約98%に相当する準備資産を補充したと発表し、11月5日には出金可能な銘柄をさらに拡大した。サービス正常化に向けた進展は市場の安心感につながるものの、一部の出金制限は残っており、信用不安が完全に払拭されたわけではない。今後、全面的な出金再開や安全性の確認が進めば、相場の下支え材料となるだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=81,000ドル(約1279万円)、下値はBTC=70,000ドル(約1106万円)を意識する。
