現在のファンダメンタルズ:5円を超える円高方向への動き
先週(8月31日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 155.292円~160.391円 156.249円
・ユーロ/米ドル:1.15663ドル~1.16408ドル 1.16129ドル
・ユーロ/円: 180.220円~185.750円 181.451円
先週(8月31日週)の為替市場:日本の金融、財政政策への思惑で円急騰
8月31日週の為替市場は週初から9月2日の東京前場までは米ドル高値圏でもみ合いながら、やや米ドル高の動きを辿り、前週末の高値を上抜け、週間高値となる160.391円をつけました。
しかし、タカ派の高田日銀審議委員が「機動的に利上げを行う新たな局面、連続した利上げもあり得る」と年内2回の利上げを想定していると受け止められる発言をしたことをきっかけに、東京後場以降は円安基調に変調が見られ160円の大台を割り込むとストップオーダーを巻き込みながら更なる円高へと進みました。
9月2日のNY市場ではADP全国雇用者数が発表されましたが結果は予想よりを下回り、またNY連銀総裁が「金利は適切な水準にある」と述べたことから、米ドル売りが加速しました。さらに、上述の高田委員の発言も蒸し返されたことで更なるストップロス注文も巻き込みながら、158円台前半へと下落する動きとなりました。値動きとしては、介入が入ったかと思わせるものでした。
9月3日にはG20後のベッセント財務長官の「日本はリフレ政策をやめるべき」との発言が改めて意識されました。高市政権の積極財政見直しの可能性や9月2日の高田委員の発言を受け、日銀の年内0.5%利上げ観測が強まり、NY市場では一時155.30レベルへと3円60銭も円高が進みました。
9月4日は米国雇用統計を控えて緩やかな円安、156円台前半で雇用統計待ちとなりましたが、結果は非農業部門雇用者数が+16.2万と予想を大きく上回るものとなり直後に156.742円の米ドルの戻り高値をつけました。
しかし、米ドルの上値が重く155.335円まで水準を切り下げましたが、東京朝方の安値155.292円をトライしきれなかったこと、デイトレポジションの買い戻しも入り、終値は156.249円となり、雇用統計前の水準に戻りました。
問題はここからの展開ですが、今回も米ドル/円は155円を割り込まず、155~160円レンジとなるのか、あるいは155円を割り込んで152円程度までの円高が進むのか悩ましいところです。まずは今週(9月7日週)の米国CPIを確認した上で、来週(9月14日週)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げとなるのか見極め、その後の日銀会合を待つというのが多くの市場参加者のスタンスです。
少なくともCPI発表の9月11日までは動きにくくなりますし、本日9月7日は米国がレイバーデイで祝日となるため、週初スタートはもみ合いになりそうです。
米ドル/円チャート(週足)、週足終値は移動平均線の下に戻し下降トレンド継続
長期的な判断は週足で行います。
米ドル/円は8月28日の時点で20週移動平均線を終値が上回っていましたが、先週(8月31日週)は大きく円高に動き、9月4日には改めて終値が移動平均線を下回ったため、米ドルは下降トレンドを継続となりました。
チャートパターンでは、協調介入による大陰線後に緩やかな戻しを挟み、先週(8月31日週)再び大陰線が出現したことで、155円をトライしやすい地合いになってきたと言えますが、先週も155円台前半での底堅さが目立ち、依然として国内勢を中心に押目買いの動きが根強い印象です。日足チャートで拡大して見ていきましょう。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足)、9月2日にデット・クロス(DC)へと転換
短期的な判断は日足で行います。
先週(8月31日週)は155円台前半を2度トライして下抜けようとしたものの、下抜けることが出来ず、押し目買いの強さを感じさせましたが、同様に強い雇用統計後の上値の重さもまた警戒すべきであり、おそらくポジションが売り手と買い手との綱引きが続いている状況かと思います。週足ベースの長期テクニカルでは下降トレンド継続となりましたが、日足ベースの短期テクニカルでも9月2日にデッド・クロス(DC)に転じました。
当面は米ドルの戻り売りのほうが優勢と見ることが出来ますが、本格的な円高には155円の大台割れが必須となります。155円の大台を下抜ける場合には年初来安値152円水準が視野に入ってきます。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
ユーロ/米ドルは上昇トレンド継続
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。
週足チャート(図表3)ではユーロ/米ドル終値が移動平均線の上側で推移し、上昇トレンド継続です。米ドル/円での米ドル売りの動きがユーロ/米ドルでもユーロ買い・米ドル売りにつながった結果であり、ユーロ単独の材料ではほとんど動かない状況が続いています。年初来のレンジを見ても1.13241ドル~1.20800ドルと750pips程度の動きに収まっていますし、コアレンジとに限ると500pipsにも満たないと言えるでしょう。
なお、9月10日にはECB(欧州中央銀行)理事会がありますが、中銀預け入れ金利を0.25%引き上げ、2.5%とすることが織り込まれている上に、注目度の高い日米の金融政策決定会合を来週に控えていることから大きな材料にはなりにくいと言えそうです。ハト派な英中銀との対比で動くとすればユーロ/ポンドになるのではないかと考えています。
日足チャート(図表4)では9月3日に再びゴールデン・クロス(GC)へと転換しました。これで長期と短期の方向性がどちらも上昇トレンドに戻ったことになります。しかし、この流れが続くのかどうかは米ドル/円のトレンド次第であり、米ドル/円が155円を割り込むようであればユーロ/米ドルも更なる上昇となりそうです。その場合、ユーロ/円の下げの影響もあり、動きはあまり大きくならない状況はしばらく変わらないと見られます。
ユーロ/円週足は移動平均線下抜け1週目
ユーロ/円(図表5)は米ドル/円が大きく円高に動いた影響から、9月4日の終値で移動平均線を下抜け、下抜け1週目の経過観察中となりました。ユーロ/円はユーロ/米ドルの動きが鈍い状況であり、米ドル/円の動きにそのまま影響することから、ここからの米ドル/円の動きを注視する必要があります。
日足チャート(図表6)では8月7日から続いていたゴールデン・クロス(GC)状態から転換し、9月2日にデッド・クロス(DC)となりました。米ドル/円同様に大きく下げた後に緩やかな上昇を挟んでの再下落したことから、テクニカル面ではさらなる下落に注意したいところです。
それでは今週も良いトレードを!
