AI過剰投資でAI・半導体関連の売り圧力となる

先週の日経平均は前週末比470円高の6万4611円と3週ぶりに反発したが、週初に2,000円超急伸した後、週末には大幅反落する「往って来い」の展開であった。好決算を発表したアルファベット[GOOGL]が米国市場で売られ、AI過剰投資への警戒が改めて強まったことが、ハイパースケーラー全面安とナスダックの下落を招き、東京市場でもAI・半導体関連の売り圧力となった。ディスコ(6146)が好決算にもかかわらず7-9月期ガイダンスのコンセンサス未達で急落したことからも、市場の目線は先に向かっており、かつ半導体関連企業の業績に一段とナーバスになっているように感じる。

日米韓のAI・半導体決算に注目

今週は29日にアドバンテスト(6857)、SKハイニックス[SKHY]、マイクロソフト[MSFT]、メタ・プラットフォームズ[META]、30日に東京エレクトロン(8035)、サムスン電子、アップル[AAPL]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、そして31日引け後にキオクシアホールディングス(285A)と、日米韓のAI・半導体決算が連日集中する。注目は業績そのものではなく、決算後に「あく抜け」となるか「材料出尽くし」となるかであろう。何度も引用しているが、ジョセフ・グランビルの名言、「ニュースは重要ではない。ニュースに対する市場の反応こそが重要だ」ということである。キオクシアの25日線下方乖離は29%に達しており、短期的な底値到達ラインとされる10%を大きく超過している。よほどの失望がない限り、指数寄与度上位銘柄のリバウンドが下値を支える構造は意識しておきたい。

ドル高・円安の加速や中東情勢悪化に警戒

金融政策は日米ともに据え置きがメインシナリオ。ただし無風とは言い難い。日銀は30-31日の決定会合で政策金利1.00%を維持する公算だが、焦点は展望レポートと植田総裁会見である。26年度実質GDP見通しの上方修正が示されれば、10月利上げ観測が強まり長期金利に上昇圧力がかかる。逆にハト派姿勢と受け取られれば、163円台と1986年以来の水準にあるドル円が防衛ライン165円を試し、介入警戒が一気に高まる。円安と利上げ前倒しのどちらに転んでも株式には重石であり、ここがリスクだろう。FOMCは就任間もないウォーシュ議長の政策スタンスがなお市場に十分見えていないなかでの開催となり、不確実性が高い。利上げ確率が3割超まで上昇している点は軽視できない。

外部環境では中東情勢が引き続き最大の攪乱要因である。フーシ派の紅海「海上封鎖」宣言、米イラン対立の長期化観測を背景に、WTIは約1か月半ぶりに90ドル台を回復した。原油高→インフレ懸念→長期金利上昇(10年債利回りは2.8%台)という経路が株式のバリュエーションを圧迫する一方、パキスタン仲介による停戦交渉再開への期待も燻る。市場の織り込みが「TACO前提」である以上、期待が裏切られた場合の下振れ余地は大きいと見るべきであろう。

予想レンジは6万2000円-6万6500円とする。