今週(5月15日~5月21日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):中東リスクと利上げ観測で軟調推移
ビットコインは、米国とイランの和平合意が見通せない中で原油高に伴うインフレ懸念が強まり、米国株や金とともに軟調な推移となった。
週前半は、イラン戦争終結やホルムズ海峡再開に向けた進展が乏しいとの見方から原油価格が高止まりし、インフレ再燃と利上げ観測が意識された。地政学リスク局面では本来買われやすい金も、米金利上昇への警戒から売りが優勢となり、米国株も下落。こうした中、ビットコインにも売りが波及し、BTC=76,000ドル(約1,208万円)付近まで下落した。
トランプ米大統領が、5月19日に予定されていたイラン攻撃を延期した一方で、和平合意に至らない場合に新たな攻撃を実施する可能性に言及。中東情勢の不確実性が残る中、ビットコインも弱い値動きが続いた。
その後、ホワイトハウスのデジタル資産顧問がビットコイン準備金の進展を示唆したことで、正式発表が近いとの見方が広がった。また、エヌビディア[NVDA]決算への期待と発表後も、その好決算を受けて米国株の下げが一服した。これらの動きを受けてビットコインも買い戻しが進んだが、4月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨が想定以上にタカ派寄りの内容だったことから、BTC=78,000ドル(約1,240万円)付近では上値が重くなった。

来週(5月22日~5月28日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米イラン協議と米PCEが焦点、AI期待と政策材料が下支えか
来週のビットコインは、米イラン協議を巡る不透明感や米インフレ指標への警戒が上値を抑えやすい一方、AI関連株への期待や米ビットコイン準備金を巡る思惑により底堅い展開が予想される。
米イラン情勢について、トランプ米大統領は交渉が「最終段階」にあるとしつつ、決裂した場合には新たな攻撃も示唆しており、ホルムズ海峡を巡る緊張はなお残る。協議が前進し、原油供給不安が和らげばリスクオンが続きやすいが、再び軍事的緊張が高まれば、原油高とインフレ懸念を通じてビットコインにも売り圧力が及びやすいだろう。
また、インフレ再燃が意識される中、4月の米個人消費支出(PCE)にも注目だ。米消費者物価指数(CPI)に続いて、PCEにも原油高の影響が波及していることが示されれば、利上げ再開への警戒感が強まり、株式とともにビットコインが売られる要因となりうる。
一方、エヌビディアの決算は売上高・利益とも市場予想を上回り、AIインフラ需要の強さを改めて示した。市場期待の高さから利益確定売りが出やすい状況であるものの、調整が限定的にとどまれば、AI株高を背景としたリスク選好がビットコインにも買いを呼び込みやすいだろう。
その他、米戦略的ビットコイン準備金を巡る新たな発表も待たれる。追加取得を含む具体策が示されれば相場の押し上げ材料となる一方、既存保有分の管理にとどまれば、期待剥落から失望売りが強まる恐れがある。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=82,000ドル(約1,303万円)、下値はBTC=74,000ドル(約1,176万円)を意識する。
