ビットコインは、中長期のイメージ通り、徐々に下値を切り下げる展開となっています。BTC/JPYは1,200万円を明確に下回り、重要なサポート水準に差し掛かってきました。
株式市場は引き続き堅調さを維持している一方で、暗号資産市場は軟調な地合いが続いています。特に米国の現物ビットコインETFからの資金流出が目立っており、現物市場からの売り圧力が価格を押し下げている可能性が高いと考えます。
いわゆる4年サイクルで見た場合、現在は上昇相場の後退期に入っている可能性があり、夏場にかけてもう一段下値を試す展開を想定しています。秋頃にかけて本格的な買い場が訪れるまでは、引き続き戻り売りを中心としたトレード戦略を継続したいと考えています。
BTC(ビットコイン)は重要サポートゾーン割り込み間近
BTC/JPY日足チャート分析です(図表1)。前回コラム5月25日付「【暗号資産】イラン情勢、停戦合意間近か?金融市場はリスクオンを大きく織り込み中」でもお伝えした通り、現在は上昇トレンドラインとSMA90(水色)が重なる付近で、かろうじてサポートされている状況です。ただし、この水準を明確に下回ると、下落トレンドが再加速する可能性が高まり、次の下値目処として1,100万円付近を意識する展開になりそうです。
海外デリバティブ市場のポジション動向を見ても、資金調達率はやや上昇傾向にあり、レバレッジポジションは買いに偏りつつあります。つまり、価格が下落した場合には、ロングポジションの損切りや清算を巻き込みながら、下げ幅が拡大しやすい地合いになっていると考えられます。
また、MACDは0.00ラインを割り込み、モメンタム面でも下落方向を示唆しています。テクニカル面、ポジション動向の両面から見ても、下落条件は徐々に整ってきました。間もなく大きなトレンドが発生する可能性があり、今週は重要な分岐点となりそうです。
4時間足チャート:SMA90を背に戻り売り
BTC/JPY4時間足チャート分析です(図表2)。目先は1,178万~1,180万円付近のレジスタンスラインで上値を抑え込まれている状況です。週末は狭いレンジでの推移が続きましたが、MACDは徐々に回復傾向にあり、短期的な売られすぎ感はリセットされつつあります。
戻りの目安としては、現状水準からSMA90(水色)が推移するポイントが意識されます。6月1日時点では1,200万円付近が戻り売りの候補になりますが、週後半にかけてSMA90は徐々に切り下がってくるため、その都度チャートを確認しながらエントリーポイントを探る形になるでしょう。
次の下値トライでは、下落トレンド再開の可能性が高まりつつあります。特に週半ば以降に安値を更新するようであれば、売り方優勢の展開が一段と鮮明になると考えます。
ETH(イーサリアム)は短期線がデッドクロスで下落トレンド継続
ETH/JPY日足チャート分析です。ETHはすでにトレンドラインを割り込んでおり、SMA30(黄色)がSMA90(水色)を下抜けるデッドクロスが発生しています。短期線が中期線を下回り、チャート形状としては下落トレンド再開を示唆する形となってきました。
ETHの下値については、今月中に30万円割れを試す展開を想定しています。さらに売りが強まった場合、2月につけた安値方向への調整も視野に入ってくるでしょう。
BTCの連れ安リスクも含め、ETHのテクニカル形状は引き続きベア方向を維持しています。基本戦略としては戻り売りを継続したいところですが、現在の形状は戻りを待たずに下落が進みやすい局面でもあります。
そのため、短期トレードでは、成行売りで追いかける判断もしやすいチャート形状になっていると思います。
今週(6月1日週)のポイント
・BTC/JPYは1,200万円を明確に下回り、重要サポートゾーンに接近している。
・株式市場は堅調だが、暗号資産市場は米国現物ビットコインETFからの資金流出もあり、上値の重い展開が続いている。
・BTC日足では上昇トレンドラインとSMA90付近が重要な分岐点であり、割り込めば1,100万円方向への下落が視野に入る。
・4時間足では1,178万~1,180万円付近が目先のレジスタンス。SMA90を背に戻り売りを狙いたい。
・デリバティブ市場ではロングポジションの偏りも見られ、下落時には清算を巻き込むリスクがある。
・ETH/JPYはSMA30とSMA90のデッドクロスが発生し、下落トレンド再開を示唆している。
・ETHは30万円割れ、さらに2月安値方向への調整も視野に入る。
・今週はBTC・ETHともに下値更新の有無が重要なポイントとなり、基本戦略は引き続き戻り売り中心で考えたい。
