メインシナリオはハイテク株を中心に上値をうかがう展開

今週の日本株相場は、地政学リスクの緩和と米国の利下げ期待の再燃を背景に、堅調な展開となるのがメインシナリオ。日経平均株価は、中東情勢の沈静化を受けた買い戻しが先行し、ハイテク株を中心に上値をうかがう展開となるだろう。ただし、先週5万7000円の大台を一時回復しているだけにどこまで上値を追っていけるかは微妙なところではある。サブ(リスク)シナリオとしては最重要の米・イランの協議が難航することだ。ネガティブなニュースが伝われば、一気に下押し圧力が強まる。株式相場は依然として、上にも下にも値動きが激しくなる地合いは続くだろう。

早期利下げ観測の強まりから米国株の下値リスクの懸念後退

米国の最新の物価指標が市場予想を下回ったことで、FRB(米連邦準備制度理事会)による早期利下げ観測が再び強まっている。これも追い風となって米国株はイラン攻撃前の株価水準に戻している。ダウ平均とS&P500はあとわずか足らないが、ナスダック総合株価指数はイラン攻撃前の2月末の株価を抜いた。ナスダック総合株価指数は主要3指数のなかでいち早く高値からの下落率が10%を超える調整相場入りをしていたために戻りも早いのだろう。チャート的には下値支持線と見られることの多い200日移動平均を大きく下回り底値が見えなくなっていた。そこに25日移動平均が上から200日移動平均を下に抜けるデッドクロスが示現。一段安もあり得たが、結果的にはそこが「陰の極」となった形でボトムアウト。弱気相場入りを寸前で回避した。

僕が最近、慎重なスタンスを提示してきたのは米国株の下値リスクを警戒していたためだが、そのリスクはほぼなくなったと言えるだろう。

本稿執筆現在、ナスダック総合株価指数は主要な移動平均を上抜け、一目均衡表の雲の中に入った。雲を明確に上抜けるようだと本格的な上昇相場に回帰していくだろう。

【グラフ】ナスダック総合株価指数 一目均衡表
出所:マネックス証券サイト

ナスダックをけん引するハイテク株が相場のエンジン役

ナスダック総合株価指数の戻りをけん引しているのが、米国のハイテク株、端的に言えば半導体企業だ。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は連日で最高値を更新している。

東京市場でも半導体関連や電子部品などの値がさ株が指数を牽引するだろう。その観点から半導体関連では15日にオランダの半導体露光装置大手ASMLホールディング[ASML]、16日にファウンドリー(受託製造)最大手の台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)[TSM]が決算発表を予定する。これらの内容が良好であれば、日本の半導体製造装置セクターへの強力な支援材料となる。なお米国では13日のゴールドマン・サックス[GS]などの銀行決算を皮切りに決算発表シーズンに入る。

基本的に市場の関心は再びマクロ経済指標と企業業績へと回帰する。ハイテク株が相場のエンジン役となり、「日経平均は」底堅い推移を続けることが期待される。「日経平均は」と括弧書きで記したのは、日本株全体は上値が重くなる可能性もあるからだ。先週金曜日に日経平均は1000円高と急伸したがTOPIXは小幅安といびつな構図を示した。米国市場に連れて半導体株が買われ、日経平均は上がるかもしれないが、TOPIXはどうか。

鍵を握るのはホルムズ海峡であり原油価格である。ここがクリアにならない限り、日本株全体の本格上昇は難しいだろう。

予想レンジは5万4000円-5万8000円とする。