グリーンスパンFRB議長誕生直後に起こった「ブラックマンデー」
FRB議長交代後、間もなく起こった金融危機として最も有名なのは、1987年10月に起こったNY発の世界同時株価暴落「ブラックマンデー(暗黒の月曜日)」だろう。これは、8月にボルカー氏からグリーンスパン氏にFRB議長が交代してから約2ヶ月後に起こった出来事だった。
米国の中央銀行のトップであるFRB議長は、基軸通貨である「米ドルの番人」であり、世界の中央銀行のトップともいえる存在だ。そのような存在の交代が金融市場を大いに動揺させかねないことを示す例として、「ブラックマンデー」は記憶されている。
グリーンスパン氏は、この世界同時株価暴落を乗り切ると、その後は「マエストロ」と呼ばれるなど歴代でも名FRB議長の1人とされ、約19年もの長きにわたりFRB議長を務めた。グリーンスパン氏の後任のFRB議長は、2006年に就任したバーナンキ氏だった。その就任から約1年後、サブプライム・ショック、さらにはリーマン・ショックが起こり、バーナンキFRB議長は試練に立たされた。
バブル最終局面のFRB議長交代はバブル崩壊のきっかけになる?
ここまで見てきたのは2例に過ぎないが、前者は日本のバブル崩壊の前夜、後者は信用バブル崩壊の前夜だった。その意味では、バブルの最終局面でのFRB議長の交代は、バブル崩壊のきっかけになる可能性があると言えそうだ。そういう観点からすると、最近の世界的な株高には「AIバブル」との見方もあり、FRB議長の交代により、それが崩壊するきっかけになる可能性は要注意かもしれない。
では、仮にウォーシュ新FRB議長の就任から間もなく、「AIバブル」崩壊による株価暴落が起こった場合、それは為替にどう影響するだろうか。1987年10月の「ブラックマンデー」、そして2007~2008年のサブプライム・ショック、リーマン・ショックは、最終的には米ドル安をもたらした。それは、基本的には新FRB議長による利下げに反応した結果だっただろう。
以上のようにみると、もしもウォーシュ新FRB議長誕生を前後して「AIバブル」崩壊による株価暴落となった場合は、基本的には米利下げを手掛かりに為替相場も米ドル安に向かう可能性が高いのではないか。
