ダウは過去最高値、ハイテクは失速した背景
・先週(2月2日週)の米国株の主要指数を振り返ると、NYダウは+2.5%と初めて5万台を突破した一方、S&P500は-0.1%、ナスダック100は-1.9%と下落した。水準面ではS&P500は高値比-0.5%、ナスダック100も-4%程度に過ぎないが、ここ1週間半はベア相場のような不安定さが目立った。
・失速の震源はテクノロジー、とりわけソフトウェア株で、生成AIの急速な進化が従来の競争優位を侵食する懸念が広がり、売りが集中した。S&P系ソフトウェア指数は2月に入り、1日で-8%の下落日があり、週次でも-8%安と荒い値動きとなった。
・アマゾン・ドットコム[AMZN]は売上・需要が堅調だが、巨額の設備投資動向やクラウド競争激化が懸念され、決算後に株価が1日で5%以上下落した。マグニフィセント・セブンの一角の下落が指数全体に波及し、暗号資産の下落や金などコモディティの乱高下も重なってリスクオフが強まった。
物色の循環と小型株・非テックの台頭
・下げの中心はテクノロジーに限られ、生活必需品、エネルギー、資本財(工業)、素材がいずれも+4%以上と堅調だった。金融、ヘルスケアもプラス圏で推移した。
・年初来の騰落では、ITセクターがマイナスの一方、S&P500は+2%、S&P500イコールウェイトは+6%、小型株のS&P1000は+9%と強く、市場の裾野が広がる健全な循環物色が進行した。
・小型株のバリュエーションは時間経過とともに割安感が出ており、S&P1000の平均PERは2010年以降の平均が約20倍。2025年末時点で19.3倍、2026年予想EPSで約17倍、2027年で約14.5倍、2028年で約13倍へ低下する見通しで、相対的な妙味が意識されやすい。テクノロジーも売られ過ぎの反発が見られ、直近のマイクロソフト[MSFT]の戻りが象徴的だ。
企業決算の強さと中間選挙年の季節性
・2025年10-12月期(第4四半期)の決算は堅調で、S&P500採用企業の約6割が発表済みの段階で、EPSは前年同期比+12.3%と事前予想(+8.4%)を上回った。利益のサプライズの比率と上振れ幅も過去数年の平均と同水準で、S&P500は5四半期連続の2桁増益ペースとなる。
・売上の地域別では、米国内売上が過半の企業の成長率が約+10%に対し、海外売上が過半の企業は+17.7%と高く、欧州通貨に対する米ドル安がグローバル企業の追い風になっている。
・米大統領選の中間選挙年で1月がプラスの年の長期統計(1930~2022年)では、年間の平均リターンは約+9.23%、中央値+13.71%、年間がプラスで終わる確率は約57%。パターンとして、2-3月は一服しやすく、4-6月は比較的安定、第3四半期は選挙前で鈍化しやすい一方、選挙後の第4四半期は堅調になりやすい。
