自民党の記録的勝利となれば株価は大きく跳ねる

週明けの日本株相場は、衆院選での与党勝利に伴う政治の安定と積極的な財政政策への期待を背景に、一段高を試す強気な展開となる見通しである。

先週末の米国株式市場ではダウ平均が5万ドルの大台をつけた。それに刺激されて日本時間7日早朝の大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は前日の清算値と比べ2000円超も上昇し5万6千円台半ばで取引を終えた。

ここに与党の勝利が加わる。本稿執筆現在では情勢は判明していないものの、日経新聞の調査による終盤情勢では与党の自民党と日本維新の会が定数465のうち300を超える議席をうかがう勢いだと報じられた。これにより与党の勝利はかなり織り込まれている。先週金曜日の日本株市場の値動きはまさにそれを反映したものだったと思われる。日経平均は、朝方は下げ幅を800円あまりに拡大する場面があったが、急速に下げ渋った後は上げに転じ、大引けにかけては一段高となった。これは与党勝利を織り込む動きが勝ったことの表れだろう。

よって「与党勝利は織り込み済み」とすれば、判明した選挙結果を受けた月曜日の市場で上値は限定的と考えるのが定石だろう。しかし、自民党が単独で過半数、与党で絶対安定多数のような勝ち方になった場合、やはりそれなりに上昇するだろう。今回の選挙の要因はいろいろあるが天候も影響した面があるだろう。それ以上に、先週のストラテジーレポート(2月6日付け「乱気流にシートベルト着用サイン点灯」)でも繰り返した「中道の自滅」という要因が大きい。「中道」について、「理念などなきに等しいのだから、最終的にそれほど票が伸びるとは思えない」と控えめに書いたが、おそらく壊滅的な敗北になるだろう。裏返すと自民党の記録的勝利となる可能性が高く、そうなった場合に株価は大きく跳ねるだろう。

景気敏感株や政策関連銘柄を中心に買いが先行か

市場の一部では日経平均5万8000円という声もある。さすがにそこまで急伸するのは短期的にも過熱感が強いので、もしもそこまでの急騰を演じた場合はいったん利確が無難だと考える。

相場の中身は、高市政権による成長戦略や地方創生への期待から「高市トレード」が加速するなか、為替の円安進行が輸出企業の業績上振れ観測を強めており、景気敏感株や政策関連銘柄を中心に買いが先行するだろう。

米国は重要な経済指標が目白押し 国内は決算発表終盤戦

米国では重要な経済指標が目白押しになる。10日に小売売上高、11日に雇用統計、12日に新規失業保険申請件数、13日に中古住宅販売件数、消費者物価指数などが発表予定。決算発表は、10日にデュポン・ド・ヌムール[DD]、ギリアド・サイエンシズ[GILD]、11日にシスコシステムズ[CSCO]、マクドナルド[MCD]、12日にアプライド・マテリアルズ[AMAT]など。このアプライドの決算は注目だ。

日本でも決算発表がいよいよ終盤戦を迎える。9日のフジクラ(5803)、リクルートホールディングス(6098)、住友金属鉱山(5713)、川崎重工業(7012)、10日の本田技研工業(7267)、IHI(7013)、JX金属(5016)、12日のソフトバンクグループ(9984)、キオクシアホールディングス(285A)などに注目があつまる。

今週は週の真ん中に祝日を挟むため、月曜日の大幅高のあとはなおさら利益確定売りがでやすいだろう。短期間での急騰によるテクニカル的な過熱感や、160円の大台に迫る円安に対する政府・日銀の介入警戒感が上値を抑える要因となる可能性はあるものの、それでも政治の不透明感払拭という強力な好材料が投資家のマインドを支え、「材料出尽くし」でいったん調整を入れても基本的には堅調な推移が続く公算が大きい。

予想レンジは5万4000円-5万8000円とする。