週間ではS&P500が+0.34%、ナスダック100は−0.21%

1月最終週(1月26日週)の米国株式市場は高値圏で伸び悩み、イベント要因に左右されやすい不安定な地合いとなりました。

週間ではS&P500が+0.34%と小幅高を確保した一方、ナスダック100は−0.21%と小幅安となり、指数間で強弱が分かれる展開でした。週半ばにはS&P500が取引時間中に一時7,000ポイントを突破しましたが、節目到達後は利益確定売りが優勢となり、上値追いの動きは失速しました。

月間では+1.37%とプラスを維持しており、中期トレンドは堅調ながら足元では買いの勢いが鈍化。短期的には上値の重さが意識される地合いとなっています。

マーケット不調の4つの材料とは?

マーケットが不調だった背景には、①ビッグテック決算、②FOMC(連邦公開市場委員会)、③FRB(米連邦準備制度理事会)議長人事、④政府閉鎖リスクという4つの材料が同時に重なったことがあります。

特に金融政策面では、FOMCは政策金利を3.50~3.75%で据え置き。パウエルFRB議長は引き続き「追加利下げはデータ次第」と慎重姿勢を強調しました。市場が期待する年内利下げについて明確な示唆はなく、ややタカ派寄りの印象と言えるかと思います。

さらに1月30日(金)にはトランプ米大統領がFRB次期議長にケビン・ウォーシュ氏を指名する意向を示しました。後任人事が具体化したことは不確実性の一部解消として好意的に受け止められましたが、一方で、FRBの独立性低下や政策スタンスの政治化への懸念が強まり、投資家心理には新たな不透明感が生じました。

約3分の1が出揃った決算発表は「想定以上に強い内容」に

セクター動向を見ると、週ごとに物色が大きく入れ替わる典型的なリスク回避相場でした。通信サービスやエネルギー、生活必需品が買われる一方、ITや一般消費財、ヘルスケアは売られるなど、ディフェンシブ優位の地合いとなりました。

2025年第4四半期(2025年10–12月期)の決算発表については、約3分の1が出揃った段階です。前年同期比で+11.9%の増益と、決算発表が始まる前の1月3日時点では+8.56%の予想だったことを踏まえると、全体として想定以上に強い内容となっています。

「サプライズ件数(勝率)」は平均をやや下回る一方、「サプライズ幅(どれだけ上振れたか)」が大きく、結果として指数ベースの利益水準はむしろ上方修正が進行しています。つまり、「勝つ企業の数は普通だが、勝った企業の勝ち方が大きい」という構図です。これはマーケットにとってはポジティブなパターンです。

個別銘柄は二極化、AI関連投資は「成果が見える企業」に評価

ただし、個別銘柄では、決算反応の振れ幅が非常に大きく、好決算銘柄は急騰、失望銘柄は急落という「二極化」が顕著となっています。

マグニフィセント7銘柄では、メタ・プラットフォームズ[META]やアップル[AAPL]が堅調だった一方、マイクロソフト[MSFT]はAI投資回収への懸念から軟調。AI関連投資の「成果が見える企業」と「まだ回収が見えない企業」で評価が分かれ始めています。

一方、テスラ[TSLA] は決算発表翌日にいったん売られたものの、その翌日には買い戻しが入り反発する展開となりました。足元ではEV価格競争や利益率低下への懸念が残るものの、自動運転やロボタクシー、AI関連ビジネスへの中長期成長期待は依然として強く、押し目では資金が入りやすい構図が続いています。

政策・外交面の不透明要因も相次ぐ中、今週(2月2日週)は雇用統計と決算ラッシュに注目

企業業績は総じて市場予想を上回り、ファンダメンタルズ自体は依然として底堅さを維持しています。

しかしながら、FRBの独立性に対する懸念、米国によるイランへの追加軍事行動の可能性といった地政学リスク、さらにトランプ米大統領が韓国との2025年合意の未承認を理由に韓国製品への関税を15%から25%へ引き上げると警告が入るなど(その後韓国政府は依然として貿易協定の履行にコミットしていると発表)、政策・外交面の不透明要因が相次いでいます。

この結果、現在のマーケットは、企業収益という中期的ファンダメンタルズよりも、政策・政治ヘッドラインが短期的な価格変動を主導する「ニュース主導型相場」の様相を強めています。

今週(2月2日週)の最大の注目は、雇用統計と決算ラッシュの本格化です。パランティア・テクノロジーズ[PLTR]、ウォルト・ディズニー[DIS]、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]、アルファベット[GOOGL]、アマゾン・ドットコム[AMZN]など大型企業の決算が集中します。
また、雇用データが弱ければ利下げ期待再燃、強ければ高金利長期化懸念と、どちらに転んでもボラティリティが高まりやすい状況です。

総じて、短期的には上下どちらにも振れやすい「荒れ相場」継続が想定されます。ただし、S&P500が高値圏を維持している点は需給の底堅さを示していると言えるでしょう。