日米金利差は大きく縮小したにもかかわらず、円高への反応は限定的だった2025年
2025年の米ドル/円相場は年足陰線でした。2025年、年初157.31円で始まった米ドル/円が、年末は156.85円で終わり、わずか46銭ではあるものの円高で1年を終えたことになります。2025年10月以降は高市政権の積極財政に関して、トラスショックのような日本売りのリスクがあると警鐘を鳴らす向きもありました。
しかし、2025年の前半はトランプ米政権による「タリフショック」相互関税への警戒で140円を割り込むところまで円高が進んでいたため、高市相場で大きく円安が進んだ印象がありましたが、俯瞰してみればほぼ「行って来い」で終わった1年でした。
ただし、米国が2025年9月、10月、12月の3回のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、0・25%ずつ計0.75%の利下げを実施。一方で、日本は2025年1月と12月の計2回、0.25%ずつ計0.5%の利上げを実施しました。日米金利差は大きく縮小したにもかかわらず、円高への反応は限定的だった、というより、ほとんど金利差を無視して年後半は円安が進みました。
日米金利差と米ドル/円レートの乖離が2025年の米ドル/円相場の特徴であり、トレーダーにとっては難しい1年だったと思います。
円金利上昇で売られた円、インフレ期待の高まりか
2026年の最大の注目は「この極端な日米金利差との乖離が修正されるのか」でしょう。不思議なことに、2025年後半からの米ドル/円相場は日本の長期金利上昇に相関して動いていました。
通常、日本の金利上昇は円高要因ですが、そうなっていないのはなぜでしょうか?金利上昇は日本のインフレ期待が大きいためだ、という指摘があります。日本国債が売られているのは、日本の財政への不安からの日本売りによるものだ、との指摘もありますが、日本株は力強く上昇していることから、それには当たらないと考えられます。
日本は長いデフレから本格的な脱却を果たし、いよいよインフレの時代に入った、ということの象徴なのだとすれば、金利高と円安は違和感のない動きかと思います。ただし、本当にこれまで続いたインフレが持続するという条件つきです。
2026年は日本のインフレ率の低下が見込まれる、日銀による利上げはあるか?
2025年12月に発表された東京都区部の12月の消費者物価指数は総合が前年比2.0%と2024年10月以来の低い伸びでした。生鮮食品除くコアは2.3%、同エネルギー除くコアコア2.6%と予想に反して大きく低下していました。
日本銀行が2025年10月に発表した「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」でも2026年度のコアCPI見通しは、政策委員見通しの中央値で前年度比+1.8%と、2%を割り込む予想となっています。
これでは2026年は利上げができないのではないかと、さらに円安が進むと見る向きもあります。しかし、円安はインフレの結果であると考えるなら、インフレが沈静化すれば円安は止まると見ることもできるでしょう。
日本がデフレに戻るとは思いませんが、食料品価格など特定の価格高騰が日本のインフレを牽引してきたことも事実。コメ価格の下落やガソリン暫定税率廃止によるインフレ率の低下などが全国CPIで確認できれば、インフレ期待も和らぎ、日本の金利上昇と円安の相関も切れるのではないかと思っています。東京のインフレ率は全国消費者物価指数の先行指標にもなります。2025年12月に発表された東京都区部の12月の消費者物価指数と比較して、どのような数値となるか1月23日発表される12月全国消費者物価指数には注目しています。
