12月FOMCでは予想通り利下げ、日銀会合では利上げ見込み

12月FOMC(米連邦公開市場委員会)では市場の予想通り0.25%の利下げが発表されました。利下げは予想通りではあったものの、サプライズもありました。それは米財務省短期証券(Tビル)を中心に短期ゾーンの米国債の買い入れを決定したこと。月額400億ドルのTビル購入から始めるとのことですが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長はこれを「QE(Quantitative Easing=量的緩和)ではない」としています。しかしFRBが再びバランスシートを拡大させるとあって市場は米金利低下、米ドル売りで反応しました。

一方、12月18、19日の日銀金融政策決定会合では利上げが見込まれています。金利先物市場では80~90%近く利上げが織り込まれており、さらに12月で利上げの打ち止め感が出ないよう、中立金利の引き上げなど、継続的な利上げサイクルの中にあることが示されるのではないかという観測が高まっています。

利上げが実施されると、日米金利差縮小で米ドル/円相場は大きく円高方向へ舵を切ると考えられますが、米ドル/円の下落は限定的と見る向きも多い印象です。なぜでしょうか。

主要国は2026年利上げを開始する?

FOMCでは2026年は1回の利下げの見通しが示されました。市場の織り込みを見る上で参考とされるFedWatchでは2026年は2回の利下げが織り込まれていますので、これが1回に修正される過程では米ドル高となる可能性もはらみます。

さらに豪州では2026年には利上げに転じるとの観測が台頭しています。12月9日に開催されたRBA(豪州準備銀行(中央銀行))の理事会では、3会合連続で政策金利の据え置きが発表されました。ブロックRBA総裁は「利下げの見通しが当面存在するとは考えていない」と明言。利下げの打ち止めを示唆し、「最近のデータは、インフレリスクが上方向に傾く状況を示唆」と言及しています。市場の一部には2026年2月の利上げを予想する向きが出てきました。豪州の政策金利は3.6%です。

また、ECB(欧州中央銀行)のシュナーベル理事は12月8日、「成長とインフレのリスクはいずれも上向き」だとして「次の政策変更は利上げになる可能性がある」と発言しており、欧州にも利下げ打ち止め&2026年の利上げ観測が台頭しています。欧州の現在の金利は2.15%です。

植田総裁の会見に要注目

現在の日本の金利は0.5%、12月19日に利上げがあるとして0.75%です。日銀が2026年以降の利上げに関してどのようなメッセージを打ち出してくるかにもよりますが、仮に中立金利の下限である1%まで金利が引き上げられたとしても、日米の金利差は2.25-2.5%開いたままです。そして、豪州や欧州などは再び利上げに踏み切る可能性が示唆されています。以上から、日銀が利上げしたとしても金利差の縮小は限定的であるため、あまり円高とならないという見方が台頭しているのです。

12月18、19日の日銀金融政策決定会合では、日本の金利が今後どこまで引き上げられる余地があるのかという点に、市場は注目しています。利上げそのものより、その後のスタンスの示唆、植田総裁の会見に注目ですね。