モトリーフール米国本社 – 2025年12月23日 投稿記事より

低リスクの配当王銘柄を長期保有し、10年で資産倍増を目指す

配当王銘柄とは、少なくとも過去50年間連続で配当金を増額し続けている企業を指します。このような安定した配当成長は、長期的には大きな成果につながります。

実際に、コカ・コーラ[KO]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、コンソリデーテッド・エジソン[ED]など、いくつかの配当王銘柄は、過去10年間でトータルリターン100%超を達成してきました。複数の配当王銘柄を購入し、長期保有するというシンプルでリスクの低い戦略により、今後10年間で資金を倍増させることができるかもしれません。

コカ・コーラ[KO]:ブランド力が支える長期成長と安定リターン

コカ・コーラは2025年初めに配当金を5.2%増額し、63年連続の増配記録を更新しました。この世界的な飲料大手は過去10年間で約125%のトータルリターン(年率8.4%)を実現しています。

同社は今後も増配を継続できる揺るぎない基盤を有しています。コカ・コーラが展開する多彩な飲料ブランドは、持続的かつ発展的な売上高と利益を生み出しています。同社の利益は、過去5年間で平均7%の利益成長率を達成しています。長期目標として、年間4~6%の有機的売上成長と、1桁台後半の1株当たり利益(EPS)成長を両立させる方針です。

コカ・コーラは有機的成長を推進するため、製品革新、マーケティング、生産性向上への取り組みに多額の投資を行っています。さらにコカ・コーラは強固なバランスシートを有しており、魅力的な買収機会が生じた際には十分な資金力を発揮できます。実際、過去10年間において、同社の利益成長の4分の1近くは買収によるものです。

現在、コカ・コーラの配当利回りはほぼ3%に達し、利益が1桁台後半の成長率を維持していることから、今後10年間で100%を超えるトータルリターンを実現できうるとみられます。

ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]:AAA格付けと63年連続増配

ジョンソン・エンド・ジョンソンは2025年初めに配当金を4.8%増額しました。これにより、同社はコカ・コーラと並んで、配当増額記録を63年連続に伸ばしました。このヘルスケア大手は、過去10年間で165%を超える驚異的なトータルリターン(年率10.3%)を達成しています。

革新的な医薬品・医療テクノロジー企業であるジョンソン・エンド・ジョンソンは、世界有数の健全な財務体質を誇ります。債券格付けはAAAという最高評価を獲得しており、同様の信用格付けを持つ上場企業は現状わずか2社しかありません。また、同社は景気変動に強く、安定して増加する利益を生み出しています。

ジョンソン・エンド・ジョンソンは新たな治療法や医療テクノロジーを発見し、試験・発売するため、研究開発に多額の投資を行っています。また、その強固な財務基盤を活かし、成長力を高めるための買収も推進しています。同社は少なくとも2030年まで、年平均5~7%の売上成長を目指しており、利益率の改善によって、利益はそれ以上のペースで成長する見込みです。

この健全な成長率に2.5%の配当利回りを加味すると、ジョンソン・エンド・ジョンソンは今後10年間においても再び100%を超えるトータルリターンを目指せる道筋にあると言えるでしょう。

コンソリデーテッド・エジソン[ED]:規制に守られた安定収益と51年連続増配

コンソリデーテッド・エジソンは2025年初頭、51年連続の増額を達成しました。これはS&P500種指数を構成する公益事業株の中で最長の連続増配記録です。コンソリデーテッド・エジソンはこの期間、年平均5.6%という健全な複利成長率で配当を増やしてきました。ニューヨーク市周辺を主な事業エリアとする電力・ガスの公益事業会社である同社は、過去10年間で120%を超えるトータルリターン(年率8.2%)を生み出しています。

コンソリデーテッド・エジソンは、堅調な需要と政府規制による料金体系に支えられ、着実に増収を実現しています。同社は、公益インフラの維持・拡充のために定期的に設備投資を行っており、その費用は規制当局が設定する料金引き上げによって回収されています。

コンソリデーテッド・エジソンは今後10年間で、中核事業の強化、クリーンエネルギーの利用拡大、気候変動への耐性向上を支えるため、720億ドルの投資を行う計画です。この投資ペースは今後数年間で年間5~7%の収益成長を支え、少なくとも2030年までは配当成長率が1桁前半から半ばを維持する可能性が高いとみられます。

足元の配当利回りが3.5%であることから、この成長率は同社が今後10年間で投資家の資金を倍増させるために必要な年平均7%以上のトータルリターンを実現する可能性もあると言えるでしょう。

配当王銘柄への投資は優れた戦略の1つになりうる

配当王銘柄への投資は、資産を着実に増やすための優れた方法の1つになると考えられます。コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、コンソリデーテッド・エジソンを含む堅調な配当成長株のいくつかは、過去10年間で100%を超えるトータルリターンを実現してきました。この3社は今後10年間においても同様のリターンを生み出せる強固な立場にあります。長期保有に適した理想的な配当王銘柄と言えるでしょう。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Matt DiLalloはコカ・コーラとジョンソン・エンド・ジョンソンの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はジョンソン・エンド・ジョンソンの株式を推奨しています。モトリーフールは開示方針を定めています。