【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 47,885.97 ▼228.29 (12/17)
NASDAQ: 22,693.32 ▼418.14 (12/17)
1.概況
米国市場は主要3指数が揃って下落しました。AIへの巨額投資を巡る不透明感が意識されたことで投資家心理が悪化し、ハイテク株を中心に売りが出ました。
ダウ平均は13ドル高の48,128ドルと小幅高で取引を開始しました。序盤は堅調な値動きも、1時間ほどで下落に転じ、その後は小幅安での推移となりました。中盤から終盤にかけて徐々に下げ幅を拡大したダウ平均は、最終的に228ドル安の47,885ドルで、4日続落して取引を終えました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は418ポイント安の22,693ポイントで反落しました。S&P500株価指数は78ポイント安の6,721ポイントで、4日続落となりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち4業種が上昇しました。原油相場の上昇を受けたエネルギーが2.2%高でセクターの上昇率トップとなりました。そのほか、生活必需品、素材、不動産が1%未満の上昇となりました。一方で7業種が下落し、情報技術が2.2%安、コミュニケーション・サービスなど3業種が1%台の下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中14銘柄が上昇しました。シェブロン[CVX]が1.9%高で構成銘柄中の上昇率トップとなりました。プロクター・アンド・ギャンブル[PG]が1.8%高、マクドナルド[MCD]とセールスフォース[CRM]が1.3%高となりました。一方でキャタピラー[CAT]が4.6%安となり、エヌビディア[NVDA]が3.8%安、ナイキ[NKE]とシスコシステムズ[CSCO]が2%台の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、オラクル[ORCL]が5.4%安となりました。ブルー・アウル・キャピタル[OWL]が同社に対して、データセンター向けの資金拠出を取りやめるとの報道が嫌気されました。サイバーセキュリティのフォーティネット[FTNT]は、アナリストの投資判断と目標株価の引き下げを受け3.8%安となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日比0.01%高い4.15%となりました。18日朝のドル円は155円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
前日の米国市場ではAI投資への不透明感が重荷となり、ハイテク株を中心に売りが出ました。主要な半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も3.8%安と大きく下げており、本日の日本市場でも売りが優勢でのスタートが見込まれます。本日から日銀の金融政策決定会合が始まるほか、今晩の米国では11月分のCPI(消費者物価指数)の発表が予定されており、結果次第で市場が大きく動く可能性があるため注視が必要です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
