【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 46,987.10 △74.80 (11/7)
NASDAQ: 23,004.54 ▼49.46 (11/7)
1.概況
先週末の米国市場は高安まちまちでした。米連邦政府の一部機関閉鎖が過去最長を記録する最中、民主党の歩み寄りから閉鎖の解除に向けた動きの進展が期待されたことで、主力株の一角が買われました。
ダウ平均は115ドル安の46,797ドルで取引を開始しました。ハイテク株を中心に売りが優勢となり、中ごろまでは軟調な推移となるも、一部政府機関閉鎖の原因となっているつなぎ予算成立に向けた動きが報じられたことで終盤に買いが優勢となり、最終的に74ドル高の46,987ドルで反発して取引を終えました。
S&P500株価指数も8ポイント高の6,728ポイントで同じく反発しました。一方で、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は49ポイント安の23,004ポイントで続落して取引を終えました。
2.経済指標等
11月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が発表され、市場予想の53.1を下回る50.3となりました。前月結果の53.6からも悪化する内容となりました。また、発表が予定されていた10月の雇用統計は政府閉鎖の影響から発表が見送られました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち9業種が上昇しました。エネルギーが1.6%高でセクターの上昇率トップとなりました。続いて、公益事業と不動産が1.4%高となり、ディフェンシブセクターの上昇が目立ちました。そのほか、素材と生活必需品が1%台の上昇となった一方で、コミュニケーション・サービスと情報技術の2業種が1%未満の下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中20銘柄が上昇しました。コカコーラ[KO]が2.2%高で構成銘柄中の上昇率トップとなりました。そのほか、シャーウィンウィリアムズ[SHW]が2.0%上昇し、アムジェン[AMGN]など計3銘柄が1%台の上昇となりました。一方で、10銘柄が下落し、アイビーエム[IBM]が1.9%安で下落率トップとなりました。ナイキ[NKE]とキャタピラー[CAT]が1%台の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、オンライン旅行予約サービスを展開するエクスペディア・グループ[EXPE]が好調な決算内容や先行きの業績見通し引き上げを背景に17.5%高となりました。また、民泊サイト運営のエアビーアンドビー[ABNB]も第3四半期決算が市場予想を上回るなどから買われ、0.3%高と小幅高で取引を終えました。一方で、イーロン・マスクCEOへの巨額の報酬案が可決されたテスラ[TSLA]は、材料出尽くしとの見方から売られ、3.7%安となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日比0.01%高い4.09%となりました。10日朝のドル円は153円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
先週末の米国市場は高安まちまちも、行政サービスなどを停滞させていた一部政府機関の閉鎖の終了期待が買い材料となりました。一方で、ハイテク関連は軟調な銘柄が散見されました。これを受けて、週明けの日本市場は小動きでのスタートが予想されます。今週も日本企業は主力銘柄の決算発表が株価材料となる公算が高く、特に11日のソフトバンクグループ(9984)の決算発表に注目が集まります。ここまでの日経平均を支えるAI関連の業績や見通しがカギとなるでしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
