【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 47,522.12  ▼109.88 (10/30)
NASDAQ: 23,581.14  ▼377.33 (10/30)

1.概況

前日の米国市場は主要3指数が揃って下落しました。中国が合成麻薬フェンタニルの対策を講じる代わりに、米国は対中関税を10%引き下げるとし、米中関係が改善に向かうとの期待から序盤は買われるも、四半期決算を発表したハイテク株を中心に売りが広がったことで、売りが優勢となりました。

ダウ平均は小幅安で取引を開始するも、早々に上昇に転じました。しかし、ハイテク株を中心に売りが出たことが指数の重荷となり、徐々に上げ幅を縮小したダウ平均は、終盤に再び下落し、最終的に109ドル安の47,522ドルと続落で取引を終えました。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は377ポイント安の23,581ポイントと6日ぶりに反落となりました。S&P500株価指数も68ポイント安の6,822ポイントをつけ、続落となりました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち3業種が上昇しました。不動産、金融、ヘルスケアの3業種が1%未満の上昇となりました。一方で8業種が下落し、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスが2%台の下落となりました。情報技術や素材も1%台の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中18銘柄が上昇しました。シスコシステムズ[CSCO]が2.2%高で構成銘柄中の上昇率トップとなりました。また、セールスフォース[CRM]が2%台の上昇となったほか、ウォルト・ディズニー[DIS]など計6銘柄が1%台の上昇となりました。一方で12銘柄が下落し、ボーイング[BA]が6.3%安で下落率トップとなりました。アマゾン・ドットコム[AMZN]とベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が3%台の下落となりました。またマイクロソフト[MSFT]やエヌビディア[NVDA]などが2%台の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、アルファベット[GOOGL]が前日に発表した好決算を材料に2.5%高となりました。製薬会社のイーライ・リリー[LLY]は、肥満治療薬需要急増などから売上見通しを引き上げたことが好感され、3.8%高となりました。一方でメタ・プラットフォームズ[META]は、通期の設備投資見通しを引き上げたことから、投資拡大への懸念やアナリストの目標株価引き下げが売り材料となり、11.3%安となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日比0.02%高い4.10%となりました。31日朝のドル円は154円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場はハイテク株が売られ、主要3指数が揃って下落しました。米国市場の下落は、本日の日本市場における半導体などハイテク株には重荷ですが、足元のドル円は約8ヶ月半ぶりの154円台にあり、円安ドル高は国内の輸出関連銘柄への追い風となるでしょう。また、昨日の決算銘柄も好決算が目立ち、この点は主力株への買い材料と考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)