【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 47,706.37 △161.78 (10/28)
NASDAQ: 23,827.49 △190.04 (10/28)
1.概況
米国市場は主要3指数が揃って4日続伸、連日で最高値を更新しました。合成麻薬フェンタニルの問題などで米中両国が歩み寄る可能性が伝わり、米中貿易摩擦の緩和期待や、好材料が伝わった個別株が買われたことが株価指数を支えました。
ダウ平均は207ドル高の47,752ドルで堅調なスタートを切りました。朝高後は伸び悩むも、中ごろにかけて上げ幅を拡大し、一時398ドル高の47,943ドルまで上昇しました。その後は翌日に控えるFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に、様子見ムードとなり、最終的に161ドル高の47,706ドルで取引を終えました。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は190ポイント高の23,827ポイント、S&P500株価指数も15ポイント高の6,890ポイントで、それぞれ最高値を更新し取引を終えました。
2.経済指標等
10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は、市場予想の94.0を上回る94.6となりました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち3業種が上昇しました。情報技術が1.6%高でセクターの上昇率トップとなりました。そのほか、一般消費財・サービスと素材が1%未満の上昇となりました。一方で、8業種が下落し、なかでも不動産が2.2%安で下落率トップとなりました。公益事業とエネルギーが1%台の下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中14銘柄が上昇しました。シャーウィンウィリアムズ[SHW]が5.5%高で構成銘柄中の上昇率トップとなりました。また、エヌビディア[NVDA]はジェンスン・ファンCEOがAI関連製品へ強気の見通しを示したことから買われ、5.0%高となりました。そのほか、マイクロソフト[MSFT]など計3銘柄が1%台の上昇となりました。一方で、16銘柄が下落しジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]やナイキ[NKE]など計5銘柄が1%台の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、第3四半期決算を発表したペイパル・ホールディングス[PYPL]は、通期の業績見通しを引き上げたことが好感され3.9%高となりました。また、フィンランドの通信業のノキア[NOK]は、エヌビディアから10億ドルの出資を受けるとの報道で資本の増強につながるうえ、次世代技術が収益に貢献するとの見方から、22.2%高となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日から0.01%低い3.97%となりました。29日朝のドル円は152円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
主要3指数が4日連続で最高値更新となりました。これを受けて昨日、下落した日本株指数は反発してのスタートが予想されます。一方で、後半にかけては、その後に発表されるイベントを前に様子見となり、動きづらい展開が予想されます。具体的には、明日の朝に発表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果や、マイクロソフト[MSFT]など米大手テック株の決算発表が注目イベントです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
