東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場で主要3指数が揃って下落した流れを受け、日経平均は続落して寄付きました。朝方から売りが優勢となり、直後の9時6分に908円安の48,399円をつけ、本日の安値を更新しました。その後は下げが一服し、持ち直す推移となり、643円安の48,664円で前引けとなりました。
後場も基調は変わらず、軟調な推移となりました。中ごろにかけて、再び下げ幅を拡大し、850円ほど安い48,400円台まで下落しました。大引けにかけては下げ幅を縮小し、最終的には666円安の48,641円と続落で取引を終えました。
新興市場では東証グロース250指数が反落、1.5%安となりました。
2.個別銘柄等
住友重機械工業(6302)は一時12.2%高の4,128円をつけ、年初来高値を更新しました。日本経済新聞が「日本の造船業の建造量倍増を目指し、今治造船など国内17社でつくる業界団体は近く3,500億円の設備投資を表明する」と報じ、同社の傘下企業が国内で船の吊り上げクレーンを製造しているため、設備投資の恩恵を受けるとの見方が買いを呼びました。
ソフトバンクグループ(9984)は4.7%安の22,595円をつけ3日続落となりました。22日の米株式市場では、四半期決算で1株利益が市場予想を下回ったネットフリックス[NFLX]が急落するなどを受け、今後発表が相次ぐ米大手ハイテク株の決算発表に対する過度な期待が後退したことで、同社の投資事業への追い風が止みつつあるとの見方から売りが優勢となりました。
パナソニック ホールディングス(6752)は0.9%安の1,817.5円をつけ続落となりました。同社のEV向けリチウムイオン電池供給先であるテスラ[TSLA]が、22日に四半期決算を発表し、EV販売の先行き不安を払拭するには力不足の内容だったことで、同日の時間外取引でテスラ株が下落し、同社の電池販売拡大期待も後退したことが売り材料となりました。
井関農機(6310)は7.6%安の2,260円をつけ反落となりました。鈴木憲和農相が22日の就任記者会見で、『需要に応じた生産が何よりも原則』と言及し、石破前政権下でのコメ増産方針の後退が意識されたことから、農機需要の減少を懸念した売りが出ました。
中小企業向け業務支援サービスを提供するエフアンドエム(4771)は7.6%高の3,025円をつけ大幅反発となりました。日本株のアクティブファンドを運用する独立系運用会社のfundnoteが同社株を大量保有していることが判明したことで、今後、同社への関心が集まることやファンドによる買い増しの思惑などから、買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は値嵩株への売りが優勢となり、666円安で続落となりました。明日の材料には、インテル[INTC]やハネウェル・インターナショナル[HON]、ブラックストーン[BX]などの米国企業の決算発表があげられるほか、日本では24日寄付き前に、9月の全国CPI(消費者物価指数)の発表があげられます。
日本のCPIは、コア指標が前年比2.8%上昇と見込まれており、わずかながら伸びが加速する公算が高く、日銀の利上げ観測に影響すると考えられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
