今週(10月3日~10月9日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米政府閉鎖を契機に急騰し史上最高値を更新
ビットコインは、米政府閉鎖を契機に無国籍資産としての評価が広がり、利下げ期待にも支えられて史上最高値を更新した。
米国議会での交渉が難航し政府閉鎖が続くなか、市場では不透明感が強まり、安全資産とされる金が連日で史上最高値を更新。相対的に出遅れていたビットコインも「デジタルゴールド」としての特性が再評価され、買いが強まった。
さらに、主要な米経済指標の発表延期で材料難となる一方、根強い利下げ期待を背景に米国株が上値追いを続け、日本株も高市新総裁への期待から高値を更新した。リスク資産への強い買いが入る中、ビットコインETFにも連日で数億ドル規模の資金が流入し、BTC=125,000ドル(約1,900万円)を突破して、およそ2ヶ月ぶりに史上最高値を更新した。
その後は利益確定売りが入り上昇は一服したものの、金や株式の堅調推移に加え、バイナンスコイン(BNB)がミームコインの盛り上がりで強い値動きとなったこともあり、高値圏を維持した。
来週(10月10日~10月16日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米政府閉鎖と利下げ期待を追い風に高値圏を維持か
来週のビットコインは、米国の政治リスクと経済指標の空白を背景に、期待先行の上昇基調を維持する展開が予想される。
ポジティブ材料としては、第一に、米国政府の閉鎖が長引き、国の信認低下が意識される中で「無国籍資産」としてのビットコイン買いが強まっている点が挙げられる。金が史上最高値を更新するなか、ビットコインもデジタルゴールドとして資金流入が拡大する可能性がある。
第二に、国内では高市新総裁の誕生を受けて円安が進行しており、円建てでのビットコイン相場にはさらなる上昇余地が見込まれる。
第三に、米国では大手金融機関の決算発表が相次ぐ予定で、2025年に入って増加しているデジタル資産市場への参入姿勢について具体的な言及があれば、市場がポジティブに反応することも考えられる。
一方で、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨では、当局者が雇用市場の弱さとインフレリスクに警戒を強めていることが確認された。加えて、政府閉鎖の影響で雇用統計に続きCPIの発表も延期される見通しであり、市場は手掛かりを欠いたまま利下げ期待に依存した相場が続きそうだ。
もっとも、幅広い資産クラスで期待先行の上昇が広がっている分、政府閉鎖が解除された場合、市場はむしろ短期的な利食い売りに押されるリスクが残る。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=128,000ドル(約1,945万円)、下値はBTC=120,000ドル(約1,824万円)を意識する。
