モトリーフール米国本社 – 2025年9月29日 投稿記事より
配当株の最高峰「配当王」とは
配当株にとって最難関の称号の一つが「配当王」です。50年連続で増配を続けている銘柄だけがその地位を得られますが、現在この条件を満たしているのはわずか56銘柄です。その仲間入りを目前に控えているのが、水処理関連大手のペンテア[PNR]です。
49年連続増配、2026年も高確率で増配へ
ペンテアは49年連続で配当を増やしており、2026年も増配が実現すれば「配当王」の仲間入りを果たすことになります。経営陣にとっては節目の年となるだけに、増配を見送る可能性は極めて低いと見られます。
それ以上に重要なのは、ペンテアが増配継続に十分な財務基盤を有している点です。配当性向は26.2%と極めて低く、安定的に配当を増やせる体力を備えています。
さらに、収益は成長を続けており、2025年度通期では調整後1株当たり利益が10~12%急増すると見込んでいます。アナリスト予想でも、20026年度の利益成長率は10%と堅調な見通しです。
配当だけでなく株価も堅調
ペンテアの魅力は配当実績だけではありません。過去5年間で、ペンテアの株価は140%以上上昇し、これは、同期間に約2倍となったテクノロジー株中心のS&P 500種指数を上回るパフォーマンスです。
成長の背景には、世界的に安全な水資源需要の高まりや、老朽化した都市インフラの更新ニーズがあります。さらに、企業による水資源の持続可能性への関心の高まりも追い風です。ペンテアのソリューションはこうした課題に応える製品・サービスを提供しています。
さらにモノのインターネット(IoT)分野の拡大も成長ドライバーです。同社は既に約50万台の接続デバイスを展開しており、2026年にはその数を倍増させる計画です。加えて、機械学習を活用したデータ解析の高度化にも取り組んでいます。
ペンテア株に投資妙味はあるか
もっとも、ペンテアの配当利回りは0.91%と低水準にとどまっており、インカムゲインを重視する投資家にとっては物足りないと考えられます。バリュー投資の観点でも、予想PER20.5倍は割高ではないものの、妙味が際立つ水準でもありません。
一方でグロース投資家は、ペンテアに一定の魅力を感じるかもしれません。同社の株価は、近年S&P 500種指数を上回るパフォーマンスを示しています。ペンテアは堅調な売上高と利益成長を継続しており、買収による事業拡大も進めています。直近の動きとしては、2025年9月初めにマディソン・インダストリーズ(非公開)から米国の水道向け特殊バルブメーカーであるハイドラストップ(Hydra-Stop LLC)を約2億8,000万ドルで買収を完了したと発表しました。
とはいえ、ペンテアが一部のハイテク株のような爆発的なリターンを生み出す可能性は低いでしょう。ほとんどのグロース投資家にとって最優先の選択肢となるかは疑問です。しかし、安定した成長を続ける配当、過度に高くないバリュエーション、そして堅実な成長を同時に求める投資家にとっては、優れた選択肢となり得るでしょう。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Keith Speightsは、記載されているどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社は、記載されているどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフールは情報開示方針を定めています。
