【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 45,418.07  △135.60 (8/26)
NASDAQ: 21,544.27  △94.98 (8/26)

1.概況

昨日の米国市場では、主要3指数が揃って小幅に反発しました。トランプ米大統領が25日、自身のSNSでFRB(米連邦準備制度理事会)クック理事の解任を発表し、FRBの独立性に対する懸念から取引開始序盤には下落する場面がみられるましたが、堅調な経済指標の発表を背景に、買いが優勢での推移となりました。

ダウ平均は45ドル安の45,236ドルで取引を開始すると、中盤までは前日の終値である45,282ドル付近で一進一退に推移しました。後半に入って、上げ幅を拡大したダウ平均は最終的に135ドル高の45,418ドルで取引を終え、反発となりました。また、S&P500株価指数は26ポイント高の6,465ポイント、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は94ポイント高の21,544ポイントと、それぞれ小幅に反発して取引を終えました。

2.経済指標等

米商務省が7月の耐久財受注を発表しました。全体の受注額は前月比2.8%減となり、市場予想(3.9%減)ほど落ち込まなかったものの2ヶ月連続でのマイナスとなりました。一方、変動の激しい輸送機器を除くコアは、1.1%上昇となり市場予想(0.2%増)を上回りました。8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は97.4と市場予想を小幅に上回るも、前月からは小幅に低下となりました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち7業種が上昇しました。資本財・サービスが1%以上上昇し、セクターの上昇率トップとなりました。情報技術や金融などそのほか6業種は1%に満たない上昇となりました。一方、生活必需品やコミュニケーション・サービスなど4業種が1%未満の下落となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は、30銘柄中13銘柄が上昇となりました。韓国の大韓航空から100機あまりの航空機発注があったと伝わったボーイング[BA]が3%超上昇したほか、シスコシステムズ[CSCO]、アメリカン・エキスプレス[AXP]やゴールドマン・サックス[GS]、アイビーエム[IBM]、ジェイピー・モルガン・チェース [JPM]、エヌビディア[NVDA]が1%以上上昇しています。

一方で、17銘柄が下落となりました。セールスフォース[CRM]が1%台後半の下落となったほか、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]やジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]も1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]はアナリストの投資判断引き上げを材料に2.0%上昇しました。製薬のイーライ・リリー[LLY]は開発中の経口肥満薬を巡る治験で目標を達成したと伝わり、これが好感され5.9%上昇しました。また、ラトニック米商務長官が米国の防衛企業関連会社の株式を取得することを視野に入れるといった発言したことでロッキード・マーチン[LMT]は1.7%上昇しました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日から0.01%低い4.26%となりました。27日朝のドル円は147円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場は主要3指数が揃って反発となりました。クック理事解任報道に関連したFRBの信任に対する懸念は売り材料となるも、全体への影響は限定的となりました。日本市場も米国市場の株高を受けて、序盤は上昇してのスタートが予想されます。

一方で、取引時間中の株価材料は限定的であり、後半にかけては動きづらい展開となる公算が高いでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)