東京市場まとめ

1.概況

日経平均は145円安の43,129円と反落で寄付きました。前日まで連日で過去最高値を更新しており、短期的な過熱感を警戒した売りが優勢でのスタートとなりました。寄付き直後から徐々に下げ幅を拡大しての推移となった日経平均は、ドル円が146円台まで上昇したことも指数を下押しし、前場は548円安の42,726円で取引を終えました。

後場も安値圏でもみ合いが続き、12時43分には667円安の42,606円と本日の安値を更新しました。その後は特段の悪材料が出ることがなかったものの、安値圏で小幅な値動きにとどまり、結局625円安の42,649円で7日ぶりに反落して取引を終えました。TOPIXも7日ぶりに反落となる33ポイント安の3,057ポイントで取引を終えました。

新興市場では東証グロース250指数が4日ぶりに反発、0.2%高となりました。

2.個別銘柄等

オンラインゲームのネクソン(3659)は一時8.5%高の3,298円をつけ年初来高値を更新しました。13日、2025年12月期の中間決算を発表し、営業利益が前年同期比6.6%増の793億円であったとし、また発行済み株式総数(自己株式を除く)の1.4%にあたる1,100万株、金額にして250億円を上限とする自社株買いの実施もあわせて発表し、これを好感した買いが入りました。

アドバンテスト(6857)は4.6%安の11,210円をつけ6日ぶりに反落となりました。朝方は前日の米国株式相場の上昇を受けて上昇する場面が見られるも、株価指数先物が下げ幅を拡大するなか、日経平均の最高値更新に寄与してきた半導体関連銘柄に売りが出ました。

エムスリー(2413)は一時4.9%高の2,308円をつけ年初来高値を更新しました。外資系証券が、13日付で同社の投資判断を3段階で真ん中の「ニュートラル(中立)」から最上位の「バイ(買い)」に、目標株価を従来の1,980円から現在の株価を大きく上回る2,840円に引き上げ、これを材料視した買いが集まりました。

三菱重工業(7011)は5.7%安の3,876円をつけ3日ぶりに反落となりました。足元では過熱感もある中で、ベッセント米財務長官が米政策金利について「(今よりも)1.5~1.75%低い水準にあるべきだ」との考えを示したことから、ドル円が円高に推移したことなどを背景に利益確定の売りが優勢となりました。

弁護士ドットコム(6027)は一時ストップ高水準となる22.7%高の3,780円をつけ年初来高値を更新しました。13日の取引終了後に発表した2026年3月期の第1四半期決算は、純利益が前年同期比75.2%増の3.21億円となり、大幅な増益を好感する買いが集まりました。また、東証グロース市場からプライム市場への区分変更を申請したと発表し、これによる将来の投資家層の拡大を期待した買いも、株高につながりました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は7日ぶりに反落となりました。急ピッチで上昇した反動から、利益確定の売りが優勢となりました。明日に向けて、米国の経済指標に注目が集まります。今晩は7月のPPI(米生産者物価指数)と米新規失業保険申請件数の発表が予定されています。FRB(米連邦準備制度理事会)が注視する雇用と物価に関する最新データであり、当局がどちらに比重を置くかを見極める上で重要な指標となります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)