参議院選挙の結果に対して、日本株の直後の反応は消化不足
7月20日に行われた参議院選挙の結果に対して、日本株の直後の反応は消化不足でした。7月22日週の日本株は、日米関税交渉において相互関税が25%から15%に引き下げられることで合意したことや、石破首相が8月末をめどに退陣との報道も伝わり、一段高となる場面がありました。4万円前後でたまっていた日経平均先物のショートポジションの巻き戻しや、自動車株などへの強烈な買い戻しが一気に吹き出る格好となりました。
トヨタ自動車株の7月23日の大幅高は、6月安値(2,434円)が当面の二番底となる確度を高める動きになりました(図表1)。月足では、7月は底入れパターンを決める陽線となる可能性が高く、ちょうど6月が変化月であったため、6月の陰線による下落は4月・5月と続いた連続陽線に続く「ダマシ」だったことになります(図表2)。
日経平均株価は年初来高値を更新、TOPIXは2024年7月の史上最高値を更新
日経平均株価は年初来高値を更新し、TOPIX(東証株価指数)は2024年7月の史上最高値を更新しました(図表3、図表4)。両指数ともに、4月前半の年初来安値を先端に「スパイクボトム(V字)」を形成したチャートパターンが一段高につながった要因とみています。
スパイクボトムとは、価格が短期間で大きく下落した後、短期間で大きく上昇することで、中央に深い谷を1つだけ形成する相場推移を指します。年初来安値からの大きな上昇によって、大きく下げる(急落)直前の高値を6月時点ですでに上抜けていたことで、いつ吹き上がっても不思議ではなかったといえます。
日経平均株価は1.5倍返しや2倍返しの上昇となる可能性
ここからの上値余地としては、スパイクボトムの長さに対する1.5倍返しや2倍返しの上昇の可能性が想定できます。日経平均株価では、2024年12月27日高値(40,281円)から4月7日安値(31,136円)までの大きな値幅に対する1.5倍返しの上げの水準である44,850円、中期目線では2倍返しの49,400円までの上昇が期待できそうです。2024年7月の史上最高値を更新できれば、1.5倍返しぐらいは早々に実現してくる可能性が高いでしょう。
7月15日付の「選挙後は意外と株高か?」にも掲載したとおり、2001年以降の参議院選挙後の株価は決して好調ではありませんでした。しかし、憲法改正や安全保障のあり方などが争点になった2016年や、自民党が単独で改選過半数を確保した2022年の選挙後は株高で反応した経緯があります。この2回はアベノミクスによる壮大な円安・株高の大きな流れの中で実施されました。今回はさらに好都合な史上最高値圏にあり、過去に上昇した局面以上の株高に期待できるかもしれません。
