東京市場まとめ

1.概況

日経平均は66円高と小幅に反発して寄り付きました。ドル円が円安に推移しており、輸出関連銘柄を中心に買いが入ったものの、すぐに下落するなど方向感に欠けた展開となりました。前日終値である39,459円を挟んで一進一退の動きとなった日経平均は、前引けにかけて上げ幅を拡大しましたが、10時53分に181円高の39,641円をつけた後は伸び悩み、47円高の39,507円で前引けとなりました。

後場も序盤には下落する場面が見られたものの、次第に上げ幅を拡大する展開となりました。堅調に推移した日経平均は、15時台に39,650円前後でもみ合い、最終的に218円高の39,678円と高値引けで大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が3日続落し、2.2%安で取引を終えました。

2.個別銘柄等

東京エレクトロン(8035)は3.5%高の27,410円をつけ反発しました。米半導体大手のエヌビディア[NVDA]が14日に公式サイトのブログで、中国向けに設計したAI半導体「H20」について近日中に出荷を再開する予定だと明らかにし、これによる半導体製造装置の需要拡大への期待から買いが優勢となりました。

古河電気工業(5801)は6.5%高の7,660円となり、大幅続伸しました。「トランプ米大統領は15日、総額700億ドル(約10兆3,400億円)に上る人工知能(AI)・エネルギー関連の新規民間投資を発表する見通し」と報じられ、AI投資の活発化によって、同社が注力するデータセンター向け光部品の需要が伸びるとの思惑から買いが集まりました。

積水ハウス(1928)は3,167円をつけ、小幅に続伸しました。国内証券が同社の投資判断を5段階で上から2番目の「2(アウトパフォーム)」から最上位の「1(買い)」へ引き上げたことが材料視され、買いが入りました。目標株価は足元の水準よりも高い3,900円で据え置かれました。

太陽光発電事業を展開するウエストホールディングス(1407)は10.0%安の1,565円をつけ、3日ぶりの大幅下落となりました。2025年8月期(今期)の当期純利益について、従来予想していた19%増の80億円から、前期比26%減の50億円へ下方修正される見通しを発表し、業績悪化を嫌気した売りが優勢となりました。

情報キュレーションサイトを運営するGunosy(6047)は、ストップ高水準となる14.9%高の770円をつけ大幅高となりました。2026年5月期(今期)の連結純利益が前期比5.4倍の4億3,000万円になる見通しを発表したうえ、自社株買いの実施も公表されたことが好感され、買いが殺到しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、4日ぶりに反発となりました。今晩は6月の米CPI(消費者物価指数)や、米大手銀行であるJPモルガン・チェース[JPM]、ウェルズ・ファーゴ[WFC]、シティグループ[C]の決算が予定されており、内容次第では米国市場がボラティリティの高い値動きとなる可能性があります。また、複数の連銀総裁の発言も予定されており、タイムリーな物価指標や、それに伴う金融政策の見通しに注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)