【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,458.30 △217.54 (7/9)
NASDAQ: 20,611.34 △192.87 (7/9)
1.概況
ダウ平均は3日ぶりに反発となりました。ダウ平均は86ドル高で取引を開始すると、取引時間中に半導体大手のエヌビディア[NVDA]が最高値を更新し、世界で初めて時価総額を4兆ドル台に乗せる場面が見られるなど、ハイテク株に買いが入りました。その後は一時下落する場面もありましたが、大きく崩れることなく持ち直し、中盤には再び投資家心理が強気に傾いて上昇に転じました。
9日に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨が、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融引き締めを強く示唆する内容ではなかったことに加え、米長期金利も低下したことを受けて、株式市場は上げ幅を拡大する展開となりました。最終的にダウ平均は217ドル高の44,458ドルで取引を終え、反発しました。
また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は序盤に最高値を更新し、終値では192ポイント高の20,611ポイントとなり、続伸しました。S&P500株価指数も37ポイント高の6,263ポイントで取引を終え、反発しています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち8業種が上昇しました。公益事業は1%程度上昇し、情報技術とコミュニケーション・サービスも1%近い上昇となりました。一方、3業種が下落し、生活必需品、エネルギー、不動産はいずれも1%未満の下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄のうち16銘柄が上昇しました。アナリストが目標株価を引き上げたボーイング[BA]が3%超上昇したほか、メルク[MRK]とキャタピラー[CAT]が2%以上上昇しています。特にメルク[MRK]は約100億ドルで英バローナ・ファーマを買収すると発表し、これが好感され2.9%上昇しました。
一方、14銘柄が下落し、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]は1%超下落したほか、コカコーラ[KO]など4銘柄が1%近く下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、モンスター・ビバレッジ[MNST]がアナリストの投資判断引き下げを受けて3.3%安となったほか、オンラインのヘルスケアサービスを提供するヒムズ&ハーズ・ヘルス[HIMS]は、肥満治療プログラムを2026年にカナダで開始する計画を発表し、これが好感されて4.7%高となりました。
5.為替・金利等
米長期金利は前日比0.07%低い4.33%となりました。10日朝のドル円は、146円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
前日の米国市場は主要3指数が揃って上昇しました。ハイテク株に買いが入り、日本市場でもこの流れを引き継ぎ、上昇スタートが予想されます。一方で、日経平均が節目の4万円に迫る場面では、利益確定の売りが出やすく、上値の重い展開となる可能性があります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
