【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,240.76 ▼165.60 (7/8)
NASDAQ: 20,418.46 △5.95 (7/8)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。朝方は売りが先行し、ダウ平均は27ドル安で取引を開始しました。寄付き後に一時上昇に転じる場面も見られましたが、米政権の貿易政策を巡る不透明感が引き続き相場の重荷となり、その後は終始軟調な推移となりました。一進一退の展開の中、徐々に下げ幅を広げ、結局ダウ平均は165ドル安の44,240ドルで続落となりました。もっとも、下落率は0.4%にとどまりました。
一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は54ポイント高で取引を開始し、前日終値を挟んで一進一退の動きとなりました。ハイテク株に買いが入り、最終的には5ポイント高の20,418ポイントで取引を終え、小幅反発となりました。
また、S&P500株価指数は4ポイント高の6,234ポイントで取引を始めたものの、引けにかけて上げ幅を縮め、4ポイント安の6,225ポイントとなり、小幅安ながら続落しました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち5業種が上昇し、特にエネルギーが2%以上の上昇で大幅高となりました。一方、6業種が下落し、公益事業や生活必需品は1%以上の下落となったほか、金融も1%近い下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、12銘柄が上昇しました。中でも、シェブロン[CVX]は4%近く上昇しました。また、セールスフォース[CRM]、アムジェン[AMGN]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、スリーエム[MMM]、エヌビディア[NVDA]も1%超の上昇となりました。
一方、18銘柄が下落し、ナイキ[NKE]やジェイピー・モルガン・チェース[JPM]は3%以上の下落となりました。特にJPモルガンは、アナリストによる投資判断の引き下げが売り材料となりました。また、ウォルマート[WMT]は2%超、ゴールドマン・サックス[GS]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、アメリカン・エキスプレス[AXP]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]は1%台後半の下落となりました。中でもアマゾンは、同日から始まった「プライムデー」の初動が鈍いとみられたことが嫌気されました。
ダウ平均構成銘柄以外では、鉱山開発のフリーポートマクモラン[FCX]が、トランプ大統領による銅輸入への50%関税発言を受けて銅価格が急伸し、収益増期待が高まったことで2.6%高となりました。メタ・プラットフォームズ[META]は、アップル[AAPL]のAI開発最高責任者が同社に移籍することが明らかになったほか、スマートグラス分野で提携するレイバンを展開するイタリアのメガネメーカー、エシロール・ルクソッティカの株式購入が報じられ、小幅高となりました。
5.為替・金利等
米長期金利は前日比0.02%高い4.40%となりました。9日朝のドル円は146円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
前日の米国市場は高安まちまちとなりました。前日に続き、関税政策の悪影響をにらみながらドル円は円安方向で推移しており、ナスダック総合株価指数が小幅ながら上昇したことから、半導体などのハイテク株への資金流入が日本市場を支える展開が予想されます。一方で、上値では利益確定の売りも出やすく、伸び悩む展開も想定されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
