【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,427.74  ▼91.90 (6/4)
NASDAQ: 19,460.49  △61.53 (6/4)

1.概況

昨日の米国市場では、主要3指数は小幅に高安まちまちとなりました。取引開始前に発表された米国の主要経済指標が市場予想を下回ったことで、関税が米景気に悪影響を及ぼすとの懸念が強まり、景気敏感株を中心に売りが優勢となりました。一方で、長期金利が低下するなか、ハイテク株を中心に買いが入り、指数を下支えしました。

ダウ平均は54ドル高の42,574ドルで取引を開始すると、一時は125ドル高の42,645ドルまで上昇し、この日の高値を付けました。一方、取引終盤にかけては売りが優勢となり、最終的に91ドル安の42,427ドルとこの日の安値で取引を終え、5日ぶりに反落しました。

一方で、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は61ポイント高の19,460ポイント、S&P500株価指数は前日と同水準の5,970ドルで取引を終え、いずれも小幅ながら3日続伸しました。

2.経済指標等

5月のADP雇用者数は前月比3.7万人増となり、市場予想の11.2万人増を下回りました。5月のISM非製造業景気指数は49.9となり、市場予想(52.0)を下回って前月(51.6)から低下し、2024年6月以来初めて好不況の境目となる50を下回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち6業種が上昇となり、特にコミュニケーション・サービスが1%超上昇しました。そのほか、素材、不動産、情報技術などが小幅に上昇しました。一方で、5業種が下落し、特にエネルギーと公益事業が1%超下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中11銘柄が上昇となりました。なかでも、メルク[MRK]とシャーウィンウィリアムズ[SHW]が1%超上昇しました。一方で、19銘柄が下落となり、なかでもシェブロン[CVX]やトラベラーズ・カンパニーズ[TRV]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が1%超下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、アナリストによる目標株価の引き上げが伝わったメタ・プラットフォームズ[META]とネットフリックス[NFLX]が好調でした。メタ・プラットフォームズは3.2%上昇し、ネットフリックスは1.8%上昇して過去最高値を更新しました。また、半導体のブロードコム[AVGO]は、決算発表を控える中、1.7%上昇しました。一方で、サバ―セキュリティーのクラウドストライク・ホールディングス[CRWD]は、第1四半期決算でEPS(1株当たり純利益)は市場予想を上回ったものの、サブスクリプションに関する売上高と第2四半期の売上高見通しが予想を下回ったほか、アナリストによる投資判断の引き下げを受けて、5.8%下落しました。また、テスラ[TSLA]は、中国での販売台数が前年同月比15%減の61,662台に減少し、株価は3.6%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前日から0.1%低い4.35 %で取引を終えました。ドル円は、円高方向に進展し、142円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場でダウ平均が5日ぶりに反落した流れを引き継ぎ、本日の日本市場も売りが先行すると見られます。日経平均は、節目となる3万7500円の水準を下値として維持できるかが意識されます。一方で、今週金曜日に米国の雇用統計の発表を控えていることから、ポジションが一方に傾きにくい様子見姿勢が強まる展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)