小型株で構成される東証グロース250指数は2024年4月の水準まで回復

5月の日経平均とTOPIX(東証株価指数)の月足ローソク足は、4月の「極端に長い下ヒゲ(下影)」に続いて陽線を形成し、底入れ確認には理想的な動きで終えました(図表1、図表2)。まだ油断はできませんが、これで両指数ともに2024年8月と2025年4月の急落後の強い戻りで2本の足が形成され、下値が固まった可能性が高いでしょう。中長期な目線において、上昇基調が続く可能性が再び高まった局面とみられます。

【図表1】日経平均5年(月足)
出所:マネックス証券ウェブサイト
【図表2】TOPIX5年(月足)
出所:マネックス証券ウェブサイト

注目したいのは、小型株で構成される東証グロース250指数です。これも4月の「極端に長い下ヒゲ(下影)」に続いて、5月は陽線で終え、2024年4月の水準まで回復しました。

【図表3】東証グロース250(月足)
出所:マネックス証券ウェブサイト

4月15日のコラム「【日本株】グロース250の優位性は続く」で紹介したように、東証グロース250の場合は長い下落相場の末期に生じた「ダメ押し」の意味合いが強く、長い下落相場の終焉を意味する動きだったと言えるかもしれません。この見方の確度が4月と5月の動きを通じて、かなり高まったとみられます。ダメ押しでも下げない相場は上がるしかない。2024年8月と2025年4月に2本の足を形成したことから、そのうち長い下ヒゲ分の倍返しの水準まで上げることになるでしょう。

東証グロース250の月足の一目均衡表では基準線を明確に上抜け、41ヶ月ぶりの強気シグナルが出現

そのほか、大きな変化は月足の一目均衡表で基準線(図表4、紫色線)を明確に上抜けたことです。基準線(直近26ヶ月間における高値と安値を足して2で割った、両者の中値を示すもの)は、相場水準として非常に重要なフシです。最後にそのフシを上回ったのは、2021年12月だったため、実に41ヶ月ぶりの強気シグナルが出現しました。

【図表4】東証グロース250(月足)/一目均衡表(紫:基準線、橙:転換線、緑:遅行線、赤紫:先行スパン1、青緑:先行スパン2)
出所:マネックス証券ウェブサイト

2022年以降、相場は何度か上昇が続く局面がありましたが、今回の5月の上昇はかなり意味があったと言えます。3年間の平均値である36ヶ月移動平均線も42ヶ月ぶりに上回りました。

日経平均は39,000円が視野に入る展開が予想される

6月相場は5月の上昇基調を引き継ぐ流れとなるか。4月安値からの上昇で日米株価はさすがに上値が重く、6月前半はもみ合いが続くことも考えられますが、上か下かのどちらに放れるかが焦点になりそうです。

5月相場を終えた段階で、米国の景気動向を反映するS&P500は年初来でプラス圏を回復しました。米国株の上昇と円高一服が見られれば、日経平均は39,000円が視野に入る展開が予想されます。