今週(5月16日~5月22日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米国財政悪化への懸念が広がる中、史上最高値を更新
ビットコインは、米国財政悪化への懸念が広がる中、金に並ぶ逃避先としての買いが強まり、史上最高値を更新した。
5月16日の米国株の取引時間終了後、ムーディーズが米国債の格下げを発表。これを受けて市場は動揺したが、ビットコインは翌営業日の株式市場の値動きを見極めようとする動きがみられ、もみ合いが続いた。結果的に、格下げ発表後に市場全体が乱高下する場面はみられたものの、メタプラネット(3350)やマイクロストラテジー[MSTR]による追加購入もあり、ビットコイン価格への影響は限定的となった。
その後、トランプ米大統領による減税法案に対する反対意見が強まる中、米国財政悪化への懸念が広がり、米国債の売りとともに金利が急上昇。この影響で米国市場は再びトリプル安の状況に陥った。しかし、ビットコインは金と並ぶ無国籍資産としての役割が再評価され、逃避的な買いが強まった。
加えて、米国におけるステーブルコイン法案やテキサス州のビットコイン準備金法案の進展も好感され、ビットコイン価格は一気にBTC=110,000ドル(約1,573万円)を突破し、史上最高値を更新した。

来週(5月23日~5月29日)の相場予想
BTC(ビットコイン)はトランプ政策による市場混乱を背景に逃避的な買いが継続するか
来週のビットコインは堅調な推移を予想。史上最高値更新に伴う達成感から、短期的には利益確定売りが強まることが考えられる。しかし、トランプ政策の影響で日米欧の債券市場が混乱する中、行き場を失った資金の一部がビットコインに流れ込むことで、相場が押し上げられる可能性がある。もしFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨で利下げ期待が高まれば、その勢いはさらに強まるだろう。
実際、ビットコイン現物ETFの資金フローはプラスで推移しており、機関投資家層からの需要が回復している。また、新たにビットコインを財務資産に組み入れる企業も国内外で増えている。さらに、ニューハンプシャー州などでビットコイン準備金法案が成立したことを受け、州によるビットコイン購入の期待も高まっている。
このまま米ドル、米国債の信用低下が進行すれば、これらの逃避的な買いが継続し、ビットコインは一気に価格を伸ばす展開も期待される。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=120,000ドル(約1,716万円)、下値はBTC=100,000ドル(約1,430万円)を意識する。