【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 41,249.38 ▼119.07 (5/9)
NASDAQ: 17,928.92 △0.78 (5/9)
1.概況
先週末の米国市場では、主要3指数は小幅に高安まちまちとなりました。米英の貿易協定合意を受け、さらなる関税交渉進展への期待から寄付き後は上昇しましたが、主力株を中心に利益確定の売りが出たほか、米中通商協議を控えて持ち高調整の売りも見られました。
ダウ平均は37ドル高の41,405ドルで取引を開始すると、一時143ドル高の41,512ドルまで上昇し、この日の高値を付けました。しかし、その後は下げに転じ、一進一退の展開となり、最終的に119ドル安の41,249ドルで取引を終え、3日ぶりに反落しました。また、S&P500株価指数も4ポイント安の5,659ポイントで取引を終え、3日ぶりに反落しました。
一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、前日比0.78ポイント高の17,928ポイントで取引を終え、小幅ながら3日続伸となりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は、全11業種のうち7業種が上昇となり、特にエネルギーは1%以上上昇しました。そのほか、不動産や一般消費財・サービス、素材などが小幅に上昇しています。一方で、3業種が下落となり、特にヘルスケアが1%以上下落しました。また、コミュニケーション・サービスや生活必需品が小幅に下落しています。
4.個別銘柄動向
昨日の米国市場では、ダウ平均構成銘柄のうち、30銘柄中13銘柄が上昇しました。中でも、ボーイング[BA]、シェブロン[CVX]、スリーエム[MMM]が1%以上の上昇となりました。一方、16銘柄が下落し、特にアムジェン[AMGN]とメルク[MRK]が2%以上の下落となったほか、セールスフォース[CRM]、アイビーエム[IBM]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ナイキ[NKE]が1%以上下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、医療機器メーカーのインシュレット[PODD]が20.9%上昇し、S&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。同社は第1四半期決算で市場予想を上回る増収・営業増益を達成し、さらに通期の業績見通しを引き上げたことが好感されました。
また、デジタル広告配信プラットフォーム企業のトレード・デスク[TTD]は、第1四半期決算で売上高が前年同期比25%増、営業利益が同90.0%増となり、18.6%の上昇を記録しました。その他、半導体のマイクロチップ・テクノロジー[MCHP]は12.6%高、テスラ[TSLA]は4.7%高、インテル[INTC]は2.0%高となっています。
一方、旅行予約サイト運営会社のエクスペディア・グループ[EXPE]は、第1四半期決算で売上高および総予約額が市場予想を下回ったことに加え、通期の業績見通しを引き下げたことが嫌気され、7.3%の下落となりました。
5.為替・金利等
米長期金利は、前日から横ばいの4.38 %で取引を終えました。ドル円は、円安方向に進展し、145円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
先週末の米国市場は、主要3指数は小幅に高安まちまちとなりました。この流れを受け、本日の日本市場も小動きでのスタートが予想されます。
今週は、国内ではソフトバンクグループ(9984)やメガバンクなどの注目決算が引き続き予定されているほか、米国市場ではCPI(消費者物価指数)や小売売上高などの主要経済指標の発表が控えています。また、米国との各国の貿易協議の進展を巡るニュースにも引き続き注目が集まります。このところ、日本株は堅調な推移が続いており、主要決算や経済指標、イベントを無難に消化しながら下値を固められるかが試される局面と言えるでしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)