東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場にて主要3指数が揃って急落した流れを引き継ぎ、日経平均は431円安の34,304円で寄付きました。トランプ米大統領が発表した相互関税が市場の想定よりも厳しい内容であったと受け止められ、前日に引き続き幅広い銘柄に売りが出ました。段々と下げ幅を広げ、10時前に節目の34,000円を割り込み、前場は917円安の33,818円で取引を終えました。
後場も寄りから弱含み、安値圏での推移となりました。13時56分に1,476円安の33,259円をつけ本日の安値を更新しました。その後は持ち直し、700円ほど下げ幅を縮小する場面が見られるも最終的には955円安の33,780円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が4.7%安、7日続落で取引を終えています。
2.個別銘柄等
トヨタ自動車(7203)は4.4%安の2,407.5円をつけ大幅続落となりました。ドル円相場が145円台前半まで円高ドル安の進行と米政権の輸入自動車への25%の追加関税が3日より発動されたことで、二重に利益を下押しする懸念から自動車株の売りが優勢となりました。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は8.5%安の1,668.5円をつけ6日続落となりました。日銀の追加利上げ観測の後退を受けて、国内債券市場では長期金利が大幅に低下し、利ざや改善期待が剥落したほか、3月下旬まで堅調に推移していた反動もあり売りが優勢となりました。三井住友フィナンシャルグループ(8316)は8.0%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)は11.2%安で取引を終えています。
東京エレクトロン(8035)は一時6.4%安の18,600円をつけ昨年来安値を更新しました。半導体について、米国が追加関税を検討していると英フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じたと伝わり、関税強化による業績悪化懸念から売りが出ました。アドバンテスト(6857)は8.1%安、レーザーテック(6920)は4.4%安で取引を終えています。
セブン&アイ・ホールディングス(3382)は1.7%安の2,030円をつけ3日続落となりました。ブルームバーグ通信は、同社が5月開催予定の定時株主総会について、「3月末の締め切りまでに株主提案を出した株主がいなかったことが分かった」と報じ、アクティビストから新たな経営改革要求がなく、相場全体の地合いの悪さもあって売りが優勢となりました。
オンワードホールディングス(8016)は5.2%高の544円をつけ、5日ぶりに反発となりました。3日、2026年2月期(今期)の当期純利益は前期比17.4%増の100億円を見込み、併せて年間配当金は前期から4円増配となる30円とし、堅調な業績と株主還元を評価する買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は週間で9.0%安、TOPIXは同10.0%安と今週は日本市場全体で大きく調整が入りました。相互関税から波及するサプライチェーンへの影響といった面に焦点が当たっており、アップル[AAPL]等の企業も懸念を表明しています。
来週に向けて、引き続きリスクオフ姿勢は続くと考えられるものの、ファーストリテイリング(9983)やイオン(8267)、良品計画(7453)などの決算発表が来週は控えており、堅調な業績を示し業績相場へ移行できるかに注目です。また、今晩は3月の米雇用統計の発表が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)