【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 43,006.59 △485.60 (3/5)
NASDAQ: 18,552.73 △267.57 (3/5)
1.概況
昨日の米国市場は、主要3指数がそろって大きく反発しました。寄付き前に公表された2月の米ISM非製造業景気指数が市場予想を上回り、景気減速への懸念が和らいだことが相場を支えました。また、トランプ米政権が前日に発動したカナダとメキシコへの関税に関し、自動車を1ヶ月間適用除外とする方針を示したことで、関税政策への過度な警戒感が薄れ、買いが広がる展開となりました。
ダウ平均は2ドル安と小安く始まると2月の米ADP雇用者数が市場予想を下回り、労働市場の減速が懸念されたことで、下げ幅は一時102ドル安まで広がりました。しかし、後半にかけて持ち直し、上昇へ転じると、徐々に上げ幅を拡大しました。取引終盤にかけては一段高となり、一時614ドル高まで上昇する場面も見られました。
最終的にダウ平均は485ドル高の43,006ドルで取引を終え、3日ぶりの反発となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は267ポイント高の18,552ポイント、S&P500株価指数は64ポイント高の5,842ポイントとなり、いずれも3日ぶりに大きく反発しました。
2.経済指標等
2月のISM非製造業景気指数は53.5となり、市場予想(52.5)と前回結果(52.8)を上回りました。一方、2月の米ADP雇用者数は前月比7.7万人増となり、市場予想(14万人増)と前回結果(18.6万人増)を下回りました。1月の米製造業新規受注は前月比1.7%増となり、市場予想(1.1%増)と前回結果(0.6%減)を上回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数は、全11業種のうち9業種が上昇となり、特に素材は2%以上上昇しました。そのほかの業種も幅広く買われ、一般消費財・サービスや資本財・サービス、コミュニケーション・サービスなど6業種が1%以上上昇しています。一方、エネルギーと公益事業は下落となり、特にエネルギーは1%以上下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中24銘柄が上昇しました。なかでも、キャタピラー[CAT]とマイクロソフト[MSFT]が3%以上上昇しました。また、ボーイング[BA]やアマゾン・ドットコム[AMZN]、ゴールドマン・サックス[GS]が2%以上上昇したほか、シャーウィンウィリアムズ[SHW]やセールスフォース[CRM]、アムジェン[AMGN]など8銘柄が1%以上上昇しました。一方、シェブロン[CVX]やアイビーエム[IBM]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]など6銘柄が1%未満の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、トランプ米政権が前日に発動したカナダとメキシコに対する関税で自動車を1ヶ月間の適用除外とする方針を発表したことで、自動車株が買われました。ステランティス[STLA]は9%以上上昇、ゼネラルモーターズ[GM]は7%上昇、フォード・モーター[F]は5%以上上昇しました。また、パランティア・テクノロジーズ[PLTR]はアナリストの投資判断の引き上げにより、6.8%上昇しました。一方で、クラウドストライク・ホールディングス[CRWD]は、第4四半期決算で売上高、EPS(1株当たり純利益)ともに市場予想を上回ったものの、ガイダンスで市場予想を下回るEPSの見通しを示したことが嫌気され、6.3%下落しました。
5.為替・金利等
米長期金利は前日から0.04%高い4.28%となりました。ドル円は、148円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、昨日の米国市場が大きく反発した流れを引継ぎ、上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均は3万8000円台回復に向けて上げ幅を広げる展開が見込まれます。一方、外国為替市場では円高が進行しており、一部の輸出関連株の上値を抑える要因となりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)