東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場にてハイテク株安となったことで、日経平均は417円安の38,359円で寄り付きました。朝方は値嵩の半導体株を中心に売りが先行し、9時20分に645円安の38,131円をつけ本日の安値を更新しました。その後は円高が一服したことで下げ幅を縮小し、前場は430円安の38,345円で取引を終えました。

後場はトランプ米政権が対中半導体規制の強化を目指す方針と伝わったことで、半導体株を中心に売りが出て再び下げ幅を拡大する展開となりました。38,250円付近で下げ渋るも、最終的には539円安の38,237円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が1.0%安で4日続落で取引を終えました。

2.個別銘柄等

米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が年次の書簡にて日本の5大商社への投資拡大を示唆したことから商社株に思惑買いが入ました。三菱商事(8058)は8.8%高、伊藤忠商事(8001)は6.7%高、三井物産(8031)は4.7%高、住友商事(8053)は6.6%高、丸紅(8002)は7.4%高と5大商社は軒並み大幅高で取引を終えました。

「トランプ米政権は中国の半導体産業への規制強化を主要同盟国に迫っている」と伝わったことで、半導体関連銘柄が売られました。東京エレクトロン(8035)は4.9%安24,200円、アドバンテスト(6857)は6.5%安の9,000円、SCREENホールディングス(7735)は6.6%安の10,970円と3銘柄揃って反落となりました。

フジクラ(5803)が7.5%安の6,117円をつけ大幅に3日続落となりました。米マイクロソフト[MSFT]がデータセンターの拡大路線を減速させているとアナリストが指摘したことで、データセンター事業に関連の高い電線株が下落しました。住友電気工業(5802)は3.4%安、古河電気工業(5801)は7.4%安となりました。

日立建機(6305)は1.5%安の3,842円をつけ反落で取引を終えました。国内証券が主力の米州で油圧ショベル事業について、弱さが見られるとして来期の営業利益予想を下方修正し、また目標株価を足元の水準を下回る3,600円に引き下げ、これを材料視した売りが出ました。

卸電気事業の電源開発(9513)は5.0%高の2,601.5円をつけ4日ぶりに反発となりました。国内証券が投資判断と目標株価を引き上げたことを材料視した買いが入りました。担当アナリストは、想定される費用に保守的な部分があるとの分析をしています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は半導体関連銘柄が下落をけん引するも、節目の38,000円台は維持し取引を終えました。今週は26日の米エヌビディア[NVDA]決算と28日の米PCE価格指数の発表を前に動きづらい展開が予想され、明日の反転材料は乏しいと考えられます。

ドル円相場の円高進行や長期金利高により日経平均が冴えない中で、ここ半年程度38,000円付近では押し目買いが下値を支えており、底堅さはうかがえます。日経平均のEPSも上方修正が見られる等、業績は堅調さがうかがえ仕込み時とも考えられるでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)