現在のファンダメンタルズ:再び米金利との相関が高まる展開へ
先週(2月10日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFX のBidレート)
・米ドル/円: 151.135円~154.797円 152.352円
・ユーロ/米ドル: 1.02756ドル~1.05142ドル 1.04889ドル
・ユーロ/円: 155.452円~161.183円 159.802円
先週(2月10日週)の米ドル/円:米10年債利回りとともに上下する展開
先週(2月10日週)の米ドル/円は、2月11日が祝日のため東京市場が休場となることもあり、週初は底堅いものの動意薄の流れが続きました。11日NY市場で前日高値を上抜けたあたりから一段と底堅くテクニカルな米ドル買いも加わって153円台半ばへ上伸、さらに米国CPIが予想よりも強かったことから米金利が上昇し、米/ドル円も一時154.797円の週間高値をつけました。
ただ、2月7日発表の米国雇用統計後から調整らしい調整を挟まず米ドル買いが続いてきたこと、155円を前に米ドル売りのオーダーも増えてきたことから利食いの動きが目立ち始め反転。13日には米国の相互関税制度の発動は個別に交渉し、4月までには導入に向けた調査が完了するとの発表があったことで、インフレ再燃思惑が後退し、米金利低下とともに153円割れ。週末に向けては短期筋のポジション調整も進み152円台前半に押しての週末クローズとなりました。
先週(2月10日週)のユーロ/米ドル:ロシア・ウクライナ停戦期待でユーロ高
先週(2月10日週)のユーロ/米ドルは、週初は動きが鈍かったものの、米ドル/円とともにユーロ/円の買い戻しが強まったことから、ユーロ/米ドルも底堅い動きとなっていました。その後米CPI発表前後には上下に振れる動きも見られましたが、底堅い値動き自体には変化は見られませんでした。
そこに入ってきたのがトランプ・プーチン電話会談のヘッドラインで、ロシアとウクライナの停戦に向けて協議を開始することで合意したというものでした。地政学的リスク後退期待から欧州株全般に買いが強まり、欧州の主要株価指数は史上最高値を更新。相互関税制度の発動が早くとも4月とのニュースも米ドル売り・ユーロ買いの動きとなり、2月14日にはユーロ/米ドルは1.04152ドルまで上昇し若干押して引けました。
米ドル/円、週足サポートラインを2週連続で下回る
長期的な判断は週足で行いますので、まずは週足チャートをご覧ください。

・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
週足チャートでは、前週(2月3日週)にサポートラインを長い陰線で明確に下抜け、同時に20週移動平均線を下抜ける展開となりましたが、先週(2月10日週)のローソク足は週後半に下げて引けたことで、2週連続で移動平均線を下回って引けました。2週連続ルールに当てはまりますので、米ドル/円のトレンドは下降トレンドへの転換が確定したことになります(図表1)。
下降トレンドが確定しましたので新たにレジスタンスライン(青)を引くこととしました。このレジスタンスラインよりも下で推移している間は米ドル/円は戻り売りの判断を継続することとなります。
米ドル/円チャート(日足)、レジスタンスラインの下で次のデッド・クロス待ち
短期的な判断は日足で行います。

・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
日足チャートの判断では、週足チャートで新たに引いたレジスタンスラインがより明確に効いていることを確認できます。しかし2月12日の米ドル上昇の動きでいったんゴールデン・クロスが発生し、その後下げに転じたことから次のデッド・クロスを待つ方が賢明です。おそらく週初に改めてデッド・クロスを見ることになるため、そこで米ドル/円の売りを考えると良いでしょう(図表2)。
なお、大台150円を目指す流れにあるという見方自体は変わりません。
ユーロ/米ドル、長期トレンドはユーロ売り継続、一方短期トレンドはユーロ買い優勢
ユーロ/米ドルのチャートから見ていきます。


週足チャート(図表3)は依然として移動平均線よりも下での推移を続けているためユーロ売りの流れにあることに変化はありません。しかし、トランプ・プーチン電話会談において、戦争終結に向けて協議を開始することで合意したため、欧州の地政学的リスク後退期待が急速に広がっています。新たにレジスタンスラインをより狭い範囲で引き直しましたが、拡散型のもみあいは高値・安値を更新しながらのもみあい継続となる非常に読みが難しいチャートパターンと言えます。
現時点では期待先行ですが、サウジアラビアでの直接会談がいつ実施されるのか、そこに向けてロシアとウクライナ双方が納得できる和平案となるのか、当面は注意して状況を見守ることとなりそうです。
なお、日足チャート(図表4)では週足チャートにおける拡散型もみあいのレジスタンスラインをトライしながらの週末クローズとなりました。そのため、このラインを明確に抜けてくるかどうか、今週(2月17日週)末の終値まで慎重な対応をすることになりますが、2月4日のゴールデン・クロス以降は常に終値移動平均線が上にあるユーロ/米ドル買い状態が続いているため、短期トレンドはユーロ買いと見ることになります。
ユーロ/円は、長期三角もちあいの中へ戻す
次にユーロ/円のチャートです。

ユーロ/円は1月27日週と2月3日週の2週連続で移動平均線を下回ったことで、ユーロ売り転換が確定していました。しかし、先週(2月10日週)後半にユーロが対米ドルだけでなく対円でも続伸した動きから、トライアングル(三角もちあい)の中へと戻す動きとなりました。移動平均線にもそれほど距離が無いため、以前のように移動平均線の上下で方向感がはっきりしない展開へと逆戻りする可能性が出てきたと言えます(図表5)。
長期チャートの見方自体は依然ユーロ売りで良いのですが、今週以降しばらくは週末終値と移動平均線との位置関係を注視していくこととなります。

日足チャートでは2月12日の上昇でゴールデン・クロスが発生し、ユーロ/円は短期的な買いの状態へと転じました(図表6)。
ただ、160円の大台越えではユーロ/円の売りオーダーも出ている様子で、このまま素直に買いが続く状態とも思えません。なお、ユーロ/円は株価、特に日経平均株価との相関が高く、今後の株式市場の動きも見ながら判断していくと良いでしょう。
それでは今週も良いトレードを!