今週(1月24日~1月30日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):米国の規制進展への期待が相場を下支え

ビットコインは、米国大統領令に対する失望感から一時急落したものの、パウエルFRB議長の発言を受けて大きく反発し、下落分を回復した。

トランプ米大統領が署名した暗号資産関連の大統領令では、規制整備に関する方針が示されたが、ビットコイン準備金の創設については可能性を検討するにとどまった。この発表を受け、市場には失望感が広がり、材料出尽くしと受け止められたことも影響し、ビットコインはBTC=1,534万円(99,000ドル)付近まで急落した。ウォール・ストリート・ジャーナルがマイクロストラテジー[MSTR]のビットコイン含み益に対する税金リスクを報じたことも嫌気された可能性がある。

その後、ディープシークショックの影響で、エヌビディア[NVDA]をはじめとするハイテク株が大きく下落する中、ビットコインは不安定な値動きとなった。しかし、米SEC(米証券取引委員会)によるSAB121ルールの撤回や、米CFTCによる公開会議の予定など、暗号資産規制関連のポジティブな動きもあり、BTC=1,550万円(100,000ドル)付近で底堅く推移した。

注目されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、市場予想通りの金利据え置きが発表され、無難な内容となったものの、パウエルFRB議長が暗号資産関連企業に対する銀行サービスの提供に関して前向きに発言。この発言を受け、ビットコインはBTC=1,627万円(105,000ドル)付近まで大きく上昇した。

 

来週(1月31日~2月6日)の相場予想

BTC(ビットコイン)はパウエルFRB議長発言をきっかけに上昇を再開するか

株式市場では中国のAI企業ディープシークを巡る混乱が話題となっている。この影響でハイテク株の売りが続く場合、リスクオフの動きが暗号資産市場にも波及し、特にAI関連のアルトコインが同様に下落するリスクが高まる。しかし、ビットコインはAI業界との直接的な関連が少ないため、これによる相場への影響は限定的であると予想する。

一方で、パウエルFRB議長が暗号資産の規制緩和に前向きな発言をしたことで、米国における暗号資産推進への期待が再び高まっている。この発言は、規制緩和により業界全体の成長が促進されるとの見方を強めており、続けて規制当局や暗号資産関連企業の新しい取り組みが見られれば、期待継続によって相場がさらに上昇する可能性がある。

しかし、来週に発表される米雇用統計やISM関連指標には注意が必要である。もし、これらの指標が予想以上に強い内容となり、3月FOMCでの利下げ見通しが後退するようであれば、ビットコインの上昇にブレーキがかかる可能性がある。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,705万円(110,000ドル)、下値はBTC=1,550万円(100,000ドル)を意識する。