【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 43,325.80 △28.77 (12/26)
NASDAQ: 20,020.36 ▼10.77 (12/26)
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。95ドル安で取引を開始したダウ平均は、米労働指標の改善を背景に、FRB(米連邦準備制度理事会)が来年の利下げペースを鈍化させるとの見方が強まり長期金利が上昇する中、一時181ドル安まで下げ幅を拡大しました。
しかし、下値は堅く、米財務省が実施した7年物国債入札で需要の強さが示されると、長期金利の上昇が一服し、その後は下げ幅を縮小しました。午後にかけては前日の終値付近で一進一退の動きが続き、最終的にダウ平均は28ドル高の43,325ドルで取引を終え、5日続伸となりました。
一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も一進一退の展開となり、結局10ポイント安の20,020ポイントで取引を終え、4日ぶりに小幅な反落となりました。また、S&P500株価指数も2ポイント安の6,037ポイントで取引を終え、こちらも4日ぶりに小幅に反落しています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の21万9000件となり、悪化を見込んだ市場予想に反して改善を示しました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち金融やヘルスケア、不動産などの6業種が小幅に上昇となりました。一方で、一般消費財・サービスやコミュニケーション・サービス、公益事業などの5業種が1%未満の下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中18銘柄が上昇となりました。なかでも、ハネウェル・インターナショナル[HON]が1%以上上昇しています。一方で、アマゾン・ドットコム[AMZN]やセールスフォース[CRM]、アムジェン[AMGN]など12銘柄が下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、ドラッグストアのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が5.3%上昇し、S&P500株価指数構成銘柄の値上がり率トップとなりました。また、クリスマスや年末商戦での販売の盛り上がりが期待される小売のターゲット[TGT]やベスト・バイ[BBY]はいずれも3%程度上昇しました。また、同様に百貨店も上昇しており、メーシーズ[M]は7.6%上昇、コールズ[KSS]は3.2%上昇となりました。
一方で、テスラ[TSLA]は1.8%下落となったほか、上場廃止の懸念が続くスーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は1.7%下落しています。また、ビットコインを保有するマイクロストラテジー[MSTR]は、ビットコイン価格の下落につられ、4.8%下落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い4.59%となりました。ドル円は、円安方向に進展し157円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、米国市場が小幅に高安まちまちとなった中、円安を追い風に前日の日本市場の上昇の勢いを引き継ぎ、上昇してのスタートが予想されます。日経平均が年内の4万円台回復に向けて上げ幅を広げる展開になるか注目される中、寄付き前には完全失業率や東京消費者物価指数、鉱工業生産などの日本の主要経済指標が発表されます。また、日銀金融政策決定会合の主な意見(12月18日、19日開催分)も公表予定で、材料として市場の注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)