先週のマーケットで市況が大きく変わりました。 FOMC(米連邦公開市場委員会)では利下げを実行したものの、ドットプロットを確認すると2025年の中央値は3.75-4.00%という結果になりました。今のところ利下げは2025年で2回しか行われない公算となります。 高金利経済が続くと予想され、金融緩和が遠のいたとも考えられます。 

これを受けて、米株・暗号資産市場は下落に転じました。 特にBTCやアルトコインの急落は顕著でしたが、そこまで悲観的な出来事でもなかったようにも感じます。 流動性の枯渇が原因と思われる値動きです。 

ビットコインの半減期翌年は大きく上昇することがアノマリーで確認されます。例えば2020年12月~1月にかけて、大きな上昇後、42,000ドル→30,000ドルまでの調整下落は存在しました。およそ30%程度の下落です。そこから2021年内で70,000ドル超えまでの上昇となったわけですが、今回はこの値動きを彷彿させる出来事でした。ということは、10万8,000ドル→75,000ドル程度の下落は許容しておく必要があります。 

2024年のBTC(ビットコイン)は月末月初で下げ相場が多い傾向

【図表2】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析から始めます。 2024年は、月末最終週の月曜日から売りが散見され、翌週の月曜日あたりに返ってくると好パフォーマンスが確認できています。 月末が近づくにつれてファンドの調整売りが目立ってくるのか、その傾向が強い印象です。 

そうなると、来週の12月30日(月)からは下落し、翌週の1月6日(月)に戻ってくる戦略も考えられそうです。しかし、12月はクリスマス休暇を挟むことから、これらのフローは早めに出てくるかもしれません。よって、12月23日夜あたりも注意したいところです。 

現在、並行チャネルレンジ内で推移していますが、割り込みかけており、個人的には一度SMA90まで調整をするのではないかと予想しています。価格にして1250万円付近ですが、ドル建てでは8万ドルです。 

この付近からの押し目買いを想定して、トレード戦略を立てていきたいと思います。 また、持っているポジションはこの並行チャネルレンジをブレイクしてしまうならば手仕舞いを実行し、再度拾い直す戦略が良いと考えます。まだ値幅があるため、過去のアノマリーも含めて慎重に臨みたいところです。 

ETH(イーサリアム)はBTC(ビットコイン)連れ安で42-46万円を意識

【図表2】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャート分析です。 BTCと連れ安になる場合、46万円台中盤までの下落を想定し、売りトレードを実行していきたいと考えます。さらに、この水準を割り込むのであれば、42万円付近のレジサポラインを目安に続落で考え、シナリオを練っていきたいところです。 

まず46万円台のサポートは11月中旬につけたトランプ次期米大統領の当選後に入った浅い調整押しの安値付近になります。 この大きな上昇トレンドの深い調整相場で終えるプランの場合、この水準での買い戻しは有効でしょう。 

さらに安値を更新する場合は、10月高値付近で上値を押さえ込まれていた42万円付近でのサポートを意識して買い戻し戦略を立てたいと思います。 
 
上昇目線は変わらずですが、過去のアノマリーを参考に、調整するときは30%程度の下落はよく起こっているため、その水準までの下落を意識してトレードを実行していく予定です。11月の上昇もかなり急ぎ足でもあったことや、デリバティブトレーダーも現物投資家もすでに買い終えているように感じてなりません。 このあたりで一旦上昇相場は打ち止めと考えて、短期的な下落相場を意識したトレードで臨みたいと思います。 

次回のコラムは1月6日(月)予定です。個人的にはこのタイミングで買い直しが入っていれば、トランプ次期米大統領の就任式に向けて再度上昇相場に転じると予想しています。よって、向こう2週間の戦略はこの内容でいきたいと考えています。