【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,212.71  △619.05 (4/11)
NASDAQ: 16,724.46  △337.15 (4/11)

1.概況

先週末の米国市場は、主要3指数がそろって反発しました。寄付き前に公表された3月の米生産者物価指数(PPI)は市場予想を下回って前月から低下し、10日に発表された米消費者物価指数(CPI)に続き、インフレ鈍化を示す内容となりました。こうしたなか、金融株の好決算が投資家心理を改善させたほか、前日に大きく下落していたこともあり、主力株を中心に見直し買いが広がりました。

ダウ平均は100ドル安で取引を開始し、一時は338ドル安まで下げ幅を広げる場面も見られました。しかし、その後は持ち直してプラスに転じ、午後にかけて上げ幅を広げていくと、一時は810ドル高まで上昇しました。取引終盤にかけてやや上げ幅を縮めると、最終的に619ドル高の40,212ドルで取引を終え、反発となりました。また、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は337ポイント高の16,724ポイント、S&P500株価指数は95ポイント高の5,363ポイントで取引を終え、いずれも反発しました。

2.経済指標等

3月の米生産者物価指数(PPI)は、前年同月比2.7%上昇となり、市場予想と前回結果(ともに3.2%上昇)を下回りました。また、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIも前年同月比3.3%上昇となり、市場予想の3.6%上昇を下回って前月の3.5%上昇から伸びが鈍化しました。一方、4月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値は50.8となり、市場予想の54.2を下回って、前月の57.0から悪化しました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、11業種すべてが上昇となりました。なかでも、素材が3%近く上昇したほか、情報技術とエネルギーも2%以上上昇しました。また、その他の業種もすべて1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、全30銘柄中26銘柄が上昇となりました。なかでも、アップル[AAPL]と好決算を発表したジェイピー・モルガン・チェース[JPM]が4%以上上昇したほか、エヌビディア[NVDA]は3%超上昇しました。そのほか、ビザ[V]やハネウェル・インターナショナル[HON]、アイビーエム[IBM]など10銘柄が2%以上上昇しています。一方で、ウォルト・ディズニー[DIS]やセールスフォース[CRM]、ナイキ[NKE]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]など4業種が小幅に下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、ファスナーのファスナル[FAST]が第一四半期決算にて増収、増益を達成し6.4%上昇しました。また、軍事造船会社のハンティントン・インガルス・インダストリーズ[HII]は、アナリストによる目標株価の引き上げを受けて、7.4%上昇しました。一方で、中国による報復関税措置の発表を受けて、米国に工場を持つ半導体企業のテキサス・インストゥルメンツ[TXN]は5.8%下落して、S&P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前日から0.07%高い4.49%となりました。ドル円は143円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

先週末の米国市場が反発した流れを引き継ぎ、本日の日本市場も反発してのスタートが予想されます。一方、13日にラトニック米商務長官は、「相互関税」から除外されていたスマートフォンやパソコンなどが、今後別に発動される半導体分野の関税の対象になるとの見通しを示しました。トランプ大統領はこれに先立つ12日、半導体への関税措置については14日に説明を行うと発言しており、関税政策の動向を巡って相場は引き続き不安定な展開となりそうです。

なお、今週のイベントスケジュールは、国内では14日に鉱工業生産(確報値)、17日に貿易統計、18日に3月の消費者物価指数(CPI)が発表される予定です。米国では、16日の小売売上高と鉱工業生産に注目が集まります。また本日は、高島屋(8233)、J.フロント リテイリング(3086)、コスモス薬品(3349)などの決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)