東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、4日続落となりました。前日の米国市場にて主要3指数が揃って下落したことから、日経平均も流れを引き継ぎ187円安の39,176円で寄り付きました。寄り付き後は少しずつ下げ幅を拡大し、10時過ぎには240円超下落する場面が見られましたが、下値では持ち直しの動きが見られました。その後は30分ほどで急速に下げ幅を縮め、小幅ながら一時反発となりました。10時45分には18円高の39,382円をつけ本日の高値を更新しましたが、その後は再び下げに転じ、前場は83円安の39,281円で取引を終えました。

後場に入ると早々に下げ幅を拡大する展開となり、39,150円から39,250円台前半のレンジで一進一退に推移しました。レンジでの取引が続くもクロージング・オークションにて下げ幅を拡大し、最終的には282円安の39,081円で安値引けとなりました。

新興市場では、東証グロース250指数が3日ぶりに反発、0.1%高となりました。

2.個別銘柄等

キオクシアホールディングス(285A)が東証プライム市場に上昇し、公開価格(1,455円)比で10.0%高で取引を終えました。初値は公開価格から1.0%下回る1,440円で、初日の時価総額は8,630億円となりました。同社はNAND型フラッシュメモリーの専業メーカーで、ストレージ向け需要の増加からNANDは2025年以降の市場規模拡大が予想されています。

日産自動車(7201)はストップ高となる23.7%高となり、8日ぶりに反発となりました。本田技研工業(7267)との経営統合に向けた協議が開始されるといった報道を受けて、業績回復期待から同社への買いが集まりました。一方でホンダは、一時4.0%安をつけ年初来安値を更新し6日続落となりました。また報道では将来的に三菱自動車工業(7211)も合流する可能性があるとして、三菱自動車もストップ高となる19.6%高で取引を終え5日ぶりに反発となりました。

マツダ(7261)も5.5%高で3日ぶりに反発となりました。日産とホンダの経営統合に関する報道を受けて、自動車業界の再編に向けた動きが活発化するとの思惑から買いが集まりました。同様にトヨタ自動車(7203)は2.0%高、SUBARU(7270)は3.0%高、日野自動車(7205)は4.2%高と、自動車関連銘柄は軒並み上昇となりました。

東洋証券(8614)が7.6%安で大幅続落となり、東証プライム市場で、下落率トップで取引を終えています。前日17日に発行済み株式総数の15.8%、金額にして80億円を上限とする自社株買いを発表するも、足元で大きく上昇していたことから材料出尽くしとして売られています。

そのほかの銘柄では、国内証券による目標株価の引き上げが明らかとなった荏原製作所(6361)が3.8%高で3日続伸、前日大幅続伸となっていたソフトバンクグループ(9984)が4.1%安と、3日ぶりに反落となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

明日の注目ポイントは、今晩のFOMC(米連邦公開市場委員会)と明日の日銀金融政策決定会合で、日米の金融政策方針に注目が集まります。FOMCの0.25%の利下げが9割方織り込まれており、市場では翌四半期の見通しに焦点が移っている印象で、足元のインフレや経済の強さからFRB(米連邦準備制度理事会)がタカ派的なスタンスとなることを見込んでいます。市場予想に対しFRBがどのような見通しを明らかにするかに注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)