【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,765.71 ▼248.33 (12/5)
NASDAQ: 19,700.26 ▼34.86 (12/5)
1.概況
米国市場では、前日に最高値を更新していた主要3指数が揃って反落となりました。24ドル高の45,038ドルで取引を開始したダウ平均は、朝方には45ドル高の45,059ドルまで上昇する場面が見られるも、その後は反落となりました。短期的な過熱感も意識され、また本日夜間に控える米雇用統計を前に持ち高を調整する動きが見られました。朝方の45ドル高が本日の高値となり、その後は軟調に推移し、段々と下げ幅を拡大し引け間際に266ドル安の44,747ドルをつけ本日の安値を更新しました。最終的には248ドル安の44,765ドルで取引を終えました。
S&P500株価指数は11ポイント安の6,075ポイント、5日ぶりに反落となりました。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も34ポイント安の19,700ポイントで取引を終え、5日ぶりに反落で取引を終えました。
2.経済指標等
10月の貿易収支は738億ドルの貿易赤字となりました。市場予想は750億ドルの赤字、前回9月修正値は838億ドルの赤字と共に赤字は幅を縮小する結果となりました。また、先週の新規失業保険申請件数は224,000件と市場予想214,000件に対し上振れる結果となりました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち5業種が上昇しました。一般消費財・サービスが約1%上昇した一方で、過半数の6業種が下落しました。素材、資本財・サービス。ヘルスケアの3業種は1%以上下落となりました。
4.個別銘柄動向
米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中16銘柄が上昇となりました。メルク[MRK]とスリーエム[MMM]が2%以上上昇し、マクドナルド[MCD]、マイクロソフト[MSFT]、コカ・コーラ[KO]、アマゾン・ドットコム[AMZN]が1%以上上昇しました。一方で、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が5%以上下落する大幅安となった他、前日10%超上昇していたセールスフォース[CRM]は反動で売られ、1%超下落となりました。またシャーウィンウィリアムズ[SHW]、ハネウェル・インターナショナル[HON]等も1%以上下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、アルコール飲料メーカーであるブラウン・フォーマン[BF.B]はアナリスト予想を上回る業績を発表したことで急騰し、10%以上上昇しました。またアナリストの目標株価が引き上げられたテスラ[TSLA]が3%以上上昇、その他にもユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス[UAL]、モデルナ[MRNA]が3%以上上昇しています。一方で、半導体設計ソフトウェアプロバイダーのシノプシス[SNPS]は第1四半期の業績予想がアナリスト予想を下回るガイダンスを発表したことで12%以上下落となりました。アプライド・マテリアルズ[AMAT]は投資判断の引き下げを受けて、5%以上の下落となりました。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%ポイント低い4.17%となりました。ドル円は、150円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場は、主要3指数が揃って反落となり日本市場もここまで上昇が続いていることから下落して始まりそうです。雇用統計は前回10月の内容がハリケーンやストライキの影響を受けており、今晩発表される11月の非農業部門雇用者数は20万人増と大幅な増加が市場予想とされています。先週の新規失業保険申請件数は市場予想を上回る増加を見せており、雇用統計も思わぬ形で弱さを見せる場合には株安につながる懸念があるでしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)