師走相場スタート

サンクスギビング(感謝祭)が終わるとアメリカのマーケットはクリスマス・ラリーのスタート機運が盛り上がる。日本も名実ともに師走相場のスタートだが、こちらは円高懸念が相場の重石となりそうだ。

前週は一時1ドル=149円台と10月下旬以来およそ1ヶ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。背景には日銀の12月利上げ観測やトランプ・トレードで上昇した米金利の巻き戻しなど日米金利差の縮小要因があった。 しかし、「本命」のイベントである日米の金融政策会合、すなわち17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)、18-19日の日銀金融政策決定会合までにはまだ時間があり、いくらでも反転するきっかけはある。

今週は政府高官の発言や米国経済指標など材料豊富な週

実際のところ、FRB(米連邦準備制度理事会)高官の発言や米国経済指標など今週は材料が豊富である。

まず2日にウォラーFRB理事が米国経済研究所(AIER)で講演を行う。4日にはパウエルFRB議長がニューヨーク・タイムズのイベント(ディールブック・サミット)に登壇する。

経済指標は、3日にISM製造業景気指数、4日にJOLTS求人件数、ADP雇用レポート、ベージュブック、5日にISM非製造業景気指数、新規失業保険申請件数、そして6日に雇用統計が発表される。

米国株は最高値圏 警戒は必要

10月の非農業部門雇用者数は前月比1.2万人増加だったが、それは明らかにハリケーンやストライキの影響を受けた異常値なので、市場は無反応だった。今週発表される11月の統計はその反動もあって20万人増と大幅な改善が見込まれている。 いずれにせよ、異常値からの修正となるので、大きくブレる可能性が高く、強い数字が出れば米国の利下げ期待がしぼんで金利高・ドル高の反応となるかもしれない。

その場合は日本株に追い風だが、それで米国株が崩れるようだと、また話が違ってくる。米国株は最高値圏にあるだけに、警戒が必要だ。

いずれにしても、トランプ氏の発言や為替動向をにらんだ神経質な展開が今週も続きそうだ。

予想レンジは3万7800円~3万9000円とする。