東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、小幅に反落となりました。143円安の38,205円で寄り付いた日経平均は、前日急騰していた半導体関連銘柄を中心に下げ、軟調にスタートしました。そのまま10時前に362円安の37,986円と本日の安値をつけました。しかし38,000円を割り込む場面では押し目買いが入り、その後の前場は安値から下げ幅を縮小する展開となり、156円安の38,193円で前引けとなりました。

後場は買い優勢で始まり、後場寄り直後に79円安の38,270円まで下げ幅を縮めるもその後は続かず、一進一退で推移しました。下値の底堅さは見られるも、主だった買い材料に欠ける中で最終的には141円安の38,208円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が続伸、1.5%高となりました。

2.個別銘柄等

日産自動車(7201)が一時4.5%安をつけ、年初来安値を更新し大幅反落となりました。ドル円相場が円高に推移しており、同社への逆風となる中、格付け会社のムーディーズ・ジャパンが同社の格付け見通しを引き下げたことが売りに拍車をかけました。その他の自動車関連銘柄も円高が意識され、トヨタ自動車(7203)、SUBARU(7270)、三菱自動車工業(7211)の3社が2%程度下落と軒並み売られました。

東京瓦斯(9531)は一時4.4%高をつけ、年初来高値を更新し続伸となりました。資産効率の低い不動産の売却を検討しており、またROE(自己資本利益率)目標を切り上げるといった報道に株価はポジティブに反応しました。直近ではアクティビストであるエリオット・マネジメントによる同社株の保有も明らかになっており、資本政策に注目が集まっていました。

三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)は1.3%高で続伸して取引を終えました。投資一任サービスのロボットアドバイザー最大手のウェルスナビ(7342)を買収するといった報道がされ、個人向け事業の拡充が期待され買いが入りました。被買収側のウェルスナビもストップ高となる28.4%高、終値で1,358円と買いが殺到しました。

本日発表された東京都区部消費者物価指数が市場予想を上回る内容であったことから、日銀の利上げ観測が強まり、採算改善期待から銀行や保険セクターが買われました。千葉銀行(8331)は4.2%高、しずおかフィナンシャルグループ(5831)は2.7%高、第一生命ホールディングス(8750)は3.5%高、SOMPOホールディングス(8630)は1.5%高で取引を終えています。

その他の銘柄では、三菱商事(8058)傘下の三菱商事ファッションを完全子会社化すると報道されたワールド(3612)が13.9%高と大幅続伸、東証プライム市場値上がり率トップで取引を終えました。また菓子製造を手掛ける寿スピリッツ(2222)は新たにアナリストのレーティングが始まり、買い推奨とされ、また目標株価も前日終値から857円高い2,800円とされたことが買い材料となり7.1%高で取引を終えました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は週間で75円安と小幅に下落、ほぼ横ばいで取引を終えました。来週にむけて、まず週明け月曜日に日本では7-9月期の法人企業統計が発表されます。法人企業統計内のソフトウェアを除く設備投資はGDP改定値に反映されることからGDPの上昇余地があるかに注目です。

また、本日は米国の感謝祭翌日でブラックフライデー、来週月曜日はサイバーマンデーと年末商戦が本格化されます。年末ラリーに向けて小売が活況となるかにも注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)