【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 41,622.08 △228.30 (9/16)
NASDAQ: 17,592.13 ▼91.85 (9/16)
1.概況
先週末の米国市場は、9月の利下げ幅が0.25%となるか0.5%となるかは僅差の判断になりそうだとの報道などを受けて、大幅利下げへの期待が再燃し続伸となりました。56ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に437ドル高まで上昇した後伸び悩みましたが、その後も堅調に推移すると結局297ドル高の41,393ドルで取引を終え3日続伸となりました。また、S&P500株価指数が30ポイント高の5,626ポイント高と5日続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も114ポイント高の17,683ポイントとこちらも5日続伸となっています。
昨日の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は大幅利下げへの期待から主力株の一角に買いが入り上昇しましたが、ナスダック総合株価指数ハイテク株の一角が売られたことで下落となりました。41ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に340ドル高まで上昇した後伸び悩むと昼前に57ドル高まで上げ幅を縮めましたが、午後に入って持ち直すと結局228ドル高の41,662ドルと4日続伸となり、8月30日に付けた史上最高値(41,563ドル)を更新しています。また、S&P500株価指数も7ポイント高の5,633ポイント6日続伸となりました。一方でナスダック総合株価指数は91ポイント安の17,592ポイントと6日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
先週末に発表となった8月の米輸入物価指数は前月比0.3%下落し市場予想を下回りました。8月の米輸出物価指数も前月比0.7%下落し市場予想を下回りました。9月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は69.0と前月から上昇し市場予想を上回っています。
昨日発表の9月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は11.5と前月から上昇し市場予想も上回りました。
3.業種別動向
先週末の業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも公益事業とコミュニケーション・サービスが1%以上上昇したほか、資本財・サービスも1%近く上げました。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、金融とエネルギーが1%以上上昇しました。一方で情報技術と一般消費財・サービスの2業種が下げ、情報技術は1%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
先週末の米国市場でダウ平均構成銘柄は、キャタピラー[CAT]やトラベラーズ[TRV]、インテル[INTC]、アメリカン・エキスプレス[AXP]、IBM[IBM]など24銘柄が上げました。一方で6銘柄が下げ、労働組合が16年ぶりにストライキに入ったボーイング[BA]が3%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が高く、マイクロン・テクノロジー[MU]が4%を超える上昇となり、ウエスタン・デジタル[WDC]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]も2%以上上げました。ブロードコム[AVGO]も2%近く上昇し、クアルコム[QCOM]とアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も1%以上上げています。また、配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ[UBER]はアルファベット[GOOGL]傘下のウェイモと提携し、テキサス州オースティンなどで自律走行車を導入すると発表したことで6%を超える上昇となりました。決算を発表したソフトウエアのアドビ[ADBE]は9-11月期の収益見通しが市場予想に届かなかったことで8%を超える下落となっています。
昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでも米国防総省向けの半導体製造でおよそ35億ドルの補助金を受け取ることで合意したと伝わったインテル[INTC]が6%を超える上昇となったほか、メルク[MRK]とシスコシステムズ[CSCO]も2%以上上げました。一方で5銘柄が下げ、新型iPhoneの需要の鈍さが指摘されたことでアップル[AAPL]が2%を超える下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、目標株価の引き下げを受けて半導体製造装置株が安く、KLA[KLAC]が2%安となり、ラム・リサーチ[LRCX]も1%以上下落しています。また、半導体のマイクロン・テクノロジー[MU]も目標株価の引き下げを受けて4%以上下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅利下げに踏み切るとの観測が再び広がり0.02%低い3.65%となりました。昨日の長期金利は0.04%低い3.61%となりました。ドル円は140円台後半で推移しています。大幅利下げ観測が強まり一時139円台半ばまで円高が進む場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続伸となり史上最高値を更新したことから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか本日の日経平均もドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)