日経平均は3万9000円の大台回復でスタートか
8月30日の米国株式市場でダウ平均は前日比228ドル高と史上最高値を連日で更新、ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発。大証夜間取引の日経225先物は、通常取引終値対比350円高の3万9060 円で取引を終えた。週明けの東京市場でも日経平均は3万9000円の大台回復で始まる公算が高い。
堅調な戻り相場の背景にあるもの
日本株は8月上旬の急落を取り戻し、順調な戻りを辿っているが想定以上に強い印象である。この堅調な戻り相場のけん引役は信託銀行と事業法人だ。東京証券取引所によると、信託銀行は8月第3週(19~23日)まで5週連続の買い越しで、現物株の合計買越額は4300億円。事業法人は8週連続の買い越しで、合計買越額は1兆7000億円に達する。
その背景にあるのが、信託銀行については年金のリバランスであり、事業法人については自社株買いだ。「株価急落後に広がる自社株買い。これこそ87年のブラックマンデー後の米国で起きた現象だ」と日経新聞編集委員の藤田和明氏は書いている(8月28日「スクランブル」)。年金のリバランスは株価急落で組み入れ比率を調整する必要が生じたため月末にかけて急ピッチで実施されてきたのだろう。9月に月替わりすれば年金のリバランスの買いは一服するかもしれない。一方、自社株買いのトレンドは加速しており、こちらは今後も続いていく。いずれにせよ、今回の株価暴落で日本株の新たな買い主体が明らかになったのは、今後の安心材料と言えるだろう。
今週は米雇用関連の経済指標の発表が目白押し
今週、米国では雇用関連の経済指標の発表が続く。4日の7月JOLTS 求人件数、5日の8月ADP雇用レポート、そして6日の雇用統計だ。米国はレーバーデー明けの今週から夏休みをとっていた投資家の多くが戻ってくる。統計次第でまた値動きの大きな展開となることには警戒が必要だ。むろん、ダウンサイドだけではない。ダウ平均はすでに最高値を更新中だが、S&P500やナスダックなども再度の最高値更新が視野に入る。主要3指数そろっての最高値更新も近々あるかもしれない。その場合はリスクオン・ムードの高まりで日経平均の4万円回復も近くなりそうだ。
予想レンジは3万8000円~4万円とする。