8月5日は、本当に強烈な急落相場でした。暗号資産市場をはじめ、株式市場、為替市場、オールリスクオフとなりました。しかしながら、そこから急反発しています。振り返れば、フラッシュクラッシュ的な値動きだったと考えます。海外のデリバティブのロングポジションは一気に解消され、OI(オープンインタレスト)はこの2週間ニュートラルな状態が続いております。暗号資産の現物市場の投げ売りがない限り、下値は限定的ではないでしょうか。

BTC(ビットコイン)、目先の上値ターゲットは1000万円手前までか?

BTC(ビットコイン)は、ジャクソンホールをきっかけに上昇するか

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャートです。目先は、暫定的に960-1000万円の水準でSMA90(水色)とSMA200(橙)を目指す展開になると予想します。時期としては今週23日金曜日に米ジャクソンホールでパウエルFRB議長の講演がありますので、このイベントをきっかけに上昇していくのではないかとイメージしています。

※ジャクソンホールとは

通称:ジャクソンホール経済政策シンポジウムのことで、米国のワイオミング州で毎年8月に開催されます。世界各国・地域から政府・中央銀行要人が招待される会合です。過去には金融政策の後半の見通しや中期的な見通しについて発言されたこともありFRB議長の発言が注目されます。

今回の注目ポイントとしては、9月以降行われるであろうFRBの利下げでしょう。9月に利下げされる場合は25bpなのか、または50bpなのか。また、年内複数回の利下げを意識しているのか等、発言内容によってマーケットが大きく反応する可能性もあるでしょう。

インフレ退治への勝利宣言が出るかどうかなども注目で、マーケットがポジティブに捉えれば、株式市場も暗号資産市場も大幅上昇が期待できるでしょう。私自身は、その波に乗った上昇トレンドを意識して買いトレードを意識していきたいと思います。今週はテクニカル分析というよりは完全にファンダメンタルズに影響を受ける相場となりそうです。

BTC/JPYはSMA90からのエントリーを意識

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY4時間足チャートに時間軸を落とします。コラム執筆現在(8月19日午前中)。BTC/JPYは861万円前後で推移しています。4時間足のSMA90にぴったりと重なっており、テクニカル的には買い場になるでしょう。今週前半はSMA90を意識しながら押し目買いを狙っていく戦略が1つの選択肢だと考えます。さらにその下には850万円付近に何度も下髭でサポートされたラインが存在します。そのため、850-862万円ゾーンを意識した押し目買いがより有効ではないでしょうか。

また、MACDも完全に方向感を無くしている状況のため、狭いレンジ相場をより意識しておけば良いと思います。私は、週前半は、金曜日のジャクソンホールに向けた仕込みフェーズと意識してトレードしていきたいと思います。

イーサリアム(ETH)は、BTCよりも回復率が悪い

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足チャート分析に切り替えます。この10日間ほど38-40万円で推移しており、BTC同様に小動きの展開です。ただし、8月5日(月)の急落日時の高値を超えていない点ではBTCよりも回復が遅い状況です。ETHだけに限らず、多くのアルトコインもこのような状態が散見され、市場が痛んでいるのかもしれません。

毎回、こういった大幅下落相場の回復はBTCが先導することが多いため、アルトコインのロングトレードは控えた方が良いかもしれません。SMA90やSMA200もかなり遠い距離にあるため(50万円)、短期的に25%以上の上昇を期待するのは少し難しいように思えます。

このような状況下のため私は、今週のETHトレードは見送りとし、基本的にはBTCトレード中心の買い戦略で考えていく予定です。