【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 39,737.26 ▼610.71 (8/2)
NASDAQ: 16,776.16 ▼417.98 (8/2)
1.概況
先週末の米国市場は7月の米雇用統計の結果を受けて景気減速を警戒した売りが出て大幅続落となりました。272ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に989ドル安まで下落した後下げ渋ると持ち直しましたが、上値は重く結局610ドル安の39,737ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も417ポイント16,776ポイントとなっています。
2.経済指標等
7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比11万4000人増に止まり市場予想を下回りました。失業率は4.3%と前月の4.1%から上昇し、横ばいを見込んでいた市場予想に反して悪化しました。6月の米製造業受注も前月比3.3%減となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、一般消費財・サービスが4%を超える下落となったほか、金融とエネルギー、資本財・サービスも2%以上下げています。また、情報技術とコミュニケーション・サービス、素材も2%近く下落しています。一方で生活必需品と公益事業、不動産の3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
決算を発表したインテル[INTC]が26%余り下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。4-6月期が最終赤字となり、人員削減の方針を示したことで売りが膨らみました。同じく決算を発表したアマゾン・ドット・コム[AMZN]も売上高が市場予想を下回ったことで9%近く下げ、ダウ平均構成銘柄でインテルに次ぐ下落率となっています。また、半導体関連銘柄の下げが目立ち、半導体株ではマイクロン・テクノロジー[MU]が8%を超える下落となり、ウエスタン・デジタル[WDC]も5%以上下げました。テキサス・インストゥルメンツ[TXN]も3%安となり、クアルコム[QCOM]も3%近く下げています。半導体製造装置株ではラム・リサーチ[LRCX]とKLA[KLAC]が8%前後の下落となり、アプライド・マテリアルズ[AMAT]も7%以上下げています。さらに金融株も安く、シティーグループ[C]が7%を超える下落となり、ウェルズ・ファーゴ[WFC]も6%以上下げました。ゴールドマン・サックス[GS]とモルガン・スタンレー[MS]も6%近く下げ、バンク・オブ・アメリカ[BAC]も5%近く下げています。JPモルガン・チェース[JPM]も4%を上回る下落となっています。一方でアップル[AAPL]は決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから小幅に上げています。
5.為替・金利等
先週末の7月の米雇用統計が市場予想を下回ったことで長期金利は0.18%低い3.79%となりました。ドル円ではさらに円高が進み146円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて大幅下落でのスタートが予想されます。こうしたなか25日移動平均線との下方乖離が10%近くまで広がるなど、短期的に売られ過ぎとなっている日経平均が売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)