米ドル/円はリバウンド先行 週間予想レンジ:153.50~157.00
先週(7月22日週)は大幅続落し、円キャリートレードの崩壊を示唆
7月11日に続き、先週の米ドル/円は大きく続落し7月25日には一時151.94円まで下落し、5月の安値を割り込む寸前だった。円キャリートレードはかなり崩壊したと推測され、もはや円売り一変倒の局面ではなくなったと言えるだろう。
今週(7月29日週)の米ドル/円は日銀金融政策決定会合次第で波乱も
今週は急落後の下げ止まり、またリバウンド先行の動きも想定しつつ、日銀金融政策決定会合次第では波乱もありえる。利上げの有無によって市場参加者の反応が違ってくると思われるが、基本的には利上げの可能性をすでに織り込んでおり、下値を追う展開にはなりにくいかもしれない。
テクニカル視点:新たなレンジ構築でも戻り切れない公算
米ドル/円は、2024年最初の為替介入が行われた4月29日以来の高値を6月26日に更新し、7月3日にはさらに高値を更新した。しかし、先週の大幅続落をもって、円キャリートレードの終焉が示唆され、円売りのピークが過ぎたと言える。
半面、5月の安値を割り込む直前まで売り込まれた分、今週開催の日銀金融政策決定会合での利上げ可能性を織り込んでいることに加え、短期スパンにおける「売られすぎ」のサインが鮮明化されつつある。一旦切りかえしの先行が想定されやすく、この場合はバランスの再構築でまたレンジを構築していくが、157.88円を超えられず、上に定着しない限り頭の重い動きとなるだろう。
豪ドル/円は保ち合いが先行 週間予想レンジ:100.00~104.50
先週(7月22日週)は大幅続落
先週の豪ドル/円は週足では長大線を形成し、大幅続落となった。一気に5月の安値を下回り、トレンドの転換を示した。豪ドル/円に限っては、円キャリートレードの完全崩壊と言える。
今週(7月29日週)はリバウンド先行し、また波乱か
豪ドル/円は、7月25日に一旦99.20円まで暴落し、円ショート筋の総撤退を示唆したと考えられる。実際、7月11日高値からほぼ一本調子の急落となり、ロング筋の損切りの連鎖が容易に推測される。そのため、今週は一旦速度調整の切り返しを予想するが、頭重く波乱含みとなるだろう。
テクニカル視点:「底割れ」した分、保ち合いの先行か
先週は大幅続落し、7月11日の大陰線の支配力を再度証左する結果となった。但し、一本調子の下落で5月の安値の割り込みもあり、短期スパンにおける「売られすぎ」のサインも鮮明だ。速度調整的なリバウンドの先行を想定したい。
半面、「底割れ」がすでに観察された分、「スピード違反」でも構造上の転換があって戻り切れない可能性が大きい。日銀金融政策決定会合次第の波乱も想定しつつ、一旦保ち合いの先行を覚悟。とはいえ、円キャリートレードが完全崩壊した分、保ち合い自体も弱含みの公算。豪ドル/円が105の節目に定着できない場合は再度頭打ちとなることを想定する。