米ドル/円は、高値再更新の可能性 週間予想レンジ:152.00~155.50

先週(11月4日週)は大幅続伸、「トランプ・トレード」の恩恵にあずかる

先週(11月4日週)の米ドル/円は一時154.68円まで続伸し、モメンタムの強さが注目された。米大統領選の結果、トランプ氏の圧勝が確認されると、米ドル買いが支配的となり、「トランプ・トレード」の恩恵を受けたと言えるだろう。

今週(11月11日週)は「トランプ・トレード」の余韻を残すか

先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、再度利下げが発表されたが、これは市場予想通りで、市場の関心は専らトランプ氏の勝利にあり、いわゆる「トランプ・トレード」の勢いが支配的であろう。トランプ氏の政策などを織り込み、米国のインフレの高止まりを想定した「トランプ・トレード」は、しばらく続くと見られる。米ドル/円の155円トライの可能性もあるだろう。

テクニカル視点:11月6日の大陽線が否定されるまでロングスタンスを

米ドル/円は、11月6日の大陽線が「強気リバーサル」のサインを点灯した。同日は米大統領選の翌営業日であり、非常に重要なサインを示したと考えられる。米ドル/円の切り返しは、同大陽線が否定されるまでしばらく続くと思われる。

6日の安値が151.27円で10月23日以来の安値を記録していたが、その後の急伸で典型的な「強気リバーサル」のサインを形成した。更に、10月23日の大陽線自体がその後「インサイド」のサインを形成し、上放れしたことから、ブル基調の再確認として強いシグナルと認められる。

ゆえに、高値を追えるかどうかは別問題として、11月6日の安値を下回らない限り、ロングスタンスしか取れないのではないか。「トランプ・トレード」の余韻は、しばらく残る見通し。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円は、一旦挫折でも上値トライを継続 週間予想レンジ:100.50~105.00

先週(11月4日週)も高値に定着しなかったが、強含み

先週(11月4日週)の値幅が拡大、また一旦102.44円まで上値打診したものの、終値が100.43円となり、週足では「スパイクハイ」のサインを形成、上値トライに失敗した。とはいえ、99円を割れなければなお高値圏の推移とみなすこともでき、強含みの状況と考えられる。

今週(11月11日週)豪ドル/円は、再度上放れを試すか

先週(11月4日週)は102円をトライできたものの、定着できず、一度反落し足踏み状態が続いた。しかし、高値圏での足踏みは、往々にして上放れの前兆と準備段階と受け止められる。また一時的な高値の更新は「ダマシ」のこともあるが、その後の本格的な上放れにつながる例が多い。

テクニカル視点:今度こそレンジ上限の上放れを成功させる

豪ドル/円は、10月に入ってからほぼ保ち合いの状況であった。そのレンジは概ね99円台半ば~101円台半ばと狭く、本格的な上放れを果たしたのが11月6日だった。

一方、11月8日の反落は大きく、大陰線をもって上値打診が失敗したようにもみえる。しかし、この前の保ち合いの期間と照らし合わせると、11月8日の急落は「ダマシ」的な値動きに当たるとみる。言い換えると、上放れに一旦トライし、また一時的な反落で土台を再構築できるからこそ、その後の上放れに影響し、より「健全な」ブレイクを果たす見込みとも言える。上値志向は変わらず、ロングスタンスを維持したい。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成