東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。29円高の38,833円で寄り付いた日経平均は9時10分前に133円高の38,938円まで上昇した後伸び悩むと10時過ぎにマイナスに転じましたが、46円安の38,758円で下げ渋ると持ち直し196円高の39,001円で前場を終えました。

さらに上げ幅を広げ305円高の39,110円でスタートした後場の日経平均は14時40分過ぎに410円高の39,215円まで上昇すると結局368円高の39,173円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

米国市場でハイテク株が売られるなか循環物色で時価総額の大きい銘柄やバリュー株の一角に物色の矛先が向かいました。トヨタ(7203)が一時5.0%高となったほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時4.2%高、日立(6501)が一時5.2%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時3.7%高、三菱商事(8058)が一時4.0%高、伊藤忠商事(8001)も一時4.7%高となり、日立と伊藤忠商事は上場来高値を更新しています。

しまむら(8227)も一時2.6%高となりました。高価格帯のプライベートブランド(PB)商品の販売が好調だったうえ、インフルエンサーとのコラボなどの販促効果もあり第1四半期に営業利益が前年同期比で0.3%増と増益を確保し、市場予想を上回ったことで買いが優勢となりました。

東邦ホールディングス(8129)も一時11.4%高となりました。シンガポールの投資ファンドの3Dインベストメント・パートナーズが東邦ホールディングス株を5.06%保有していることが関東財務局に提出した大量保有報告書により明らかとなったことで上げ幅を広げました。

自動車部品メーカーのエクセディ(7278)も一時3.4%高となりました。旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスがエクセディ株を買い増したことが関東財務局に提出した変更報告書により明らかとなったことから買いが優勢となりました。

一方で昨日の米国市場でエヌビディア[NVDA]が6%を超える下落となるなど半導体株が売られた流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄に大きく下げるものがみられました。東京エレクトロン(8035)が一時2.6%安となったほか、レーザーテック(6920)が一時4.6%安、ディスコ(6146)も一時6.0%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は368円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が続伸となった流れを受けて買いが優勢となりました。一時はマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋ると持ち直し昨日に上回ることができなかった一目均衡表の雲の上限(38,910円)や75日移動平均線(38,916円)を超えて上げ幅を広げ39,000円台を回復しました。

そのため一段高への期待も高まりますが、39,000円を超えてくると戻り待ちの売りが出て押し戻される展開が続いているだけに39,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の第1四半期決算発表がスタートしています。本日も引け後にはスギホールディングス(7649)が決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には6月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)